こんにちは、だいじろうです
これはKIZUKIのなかでは何度か言ってきたことかと思いますが、改めて「膝OAの内反変形」について考えておきたいと思います
結論から言えば、ほとんどの場合で膝OA患者は”外反変形”を呈しています
私の経験上、内反変形を呈している症例は風車変形(Wind-swept deformity)が多い印象があります
風車変形とは、一方が内反変形を呈し、もう一方が外反変形を呈すような変形です
ここで、内反・外反という言葉の定義から考えてみましょう
内反・外反は、膝関節で起こる矢状面上の関節運動で、非生理的な関節運動です
では、内反しているか、外反しているかを評価するためにはどうしたらいいでしょうか
①まず、大腿骨を中間位に保持する必要があります
大腿骨を中間位に保持するためには、大腿骨内側上顆と大腿骨外側上顆を結ぶ線(≒膝関節屈伸運動軸)が矢状面上に位置するようにします
②そして、大腿骨を中間位に保持した状態で、下腿を中間位に保持します
下腿を中間位に保持するためには、膝蓋骨下棘と脛骨粗面を結ぶ線(膝蓋靱帯)が前額面上に位置するようにします
③その肢位で大腿骨長軸に対して下腿長軸が内反しているか、外反しているかを評価する必要があります
では、なぜ内反変形が多いとされているんでしょう
おそらく①と②の部分が不十分なんだと思います
分かりやすい例として、膝関節を軽度屈曲させ、股関節を外旋・外転させます
そうすると内反しているように見えます
おそらくそれを内反変形とは思いませんよね
ですが、膝OAになると内反変形と思ってしまうんですよね
これは教科書で書かれてあったり、一般論として言われているから生じているバイアスなのかもしれません
ぜひみなさんも膝OA患者さんの膝が内反変形しているか、外反変形しているか、確認してみてください