自己紹介のコツは、自分を紹介しないことである

Watt_inoue
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自己紹介と関係ない話から始める。

自分のキモチを文章に書くコツは「自分のキモチを文章に直に書かない」という話から始めたい。

例えば大好きな女性と観覧車に乗ったとしよう。大好きで仕方ないキモチを文章に落とし込みたいとする。ここで「好き」だとキモチを直に書いても、あまりキモチが文章には乗らず、相手に伝わらない。それよりも、自分は大好きな彼女と観覧車に乗って、何を見たのか?景色を見る余裕はあるのか、無いのか?見た景色から何を考えたのか?彼女と目を合わせるのか?あわせないのか?彼女とは何か話すのか?どんな話題に映るのか?会話をしてて、どう展開していくのか。彼女の表情はどうか?その表情を見て自分は何を感じたのか?彼女と一緒に居て、何か思い出したことは無いか?そういった描写の中にこそ、自分のキモチが文章に乗るのである。食レポでも、漫画レビューでも自己紹介でも原理は同じである。

自己紹介で伝えること

まず自己紹介の前提として、誰もアナタに興味が無い。アナタの価値は相手からすれば、森永の「小枝チョコ」に散りばめられているピーナッツぐらいである。その小枝チョコにおけるピーナッツから、もしかして明治「アーモンドナッツチョコレート」のナッツかも?と思われれば、自己紹介は成功となる。

そこで自己紹介で、自分の紹介を直に話しても相手はあなたに興味を持たないわけで、大事なことは、自分を紹介するのではなく、観覧車と同じく、自分が何かの目的に向かうときの自分の行動を伝えるのである。

何も語らないことで語られること。

自己紹介で、多くの人は自分がいかに有用な人間であるかを伝えたいわけである。自分がこれまでどんな面白い仕事をし、どんな偉大な達成をし、友達に溢れ、リーダーシップを発揮し、まわりから羨望の眼を向けられ、キラッと光る個性の持ち主だとアピールしたいのである。ただ相手はこちらに興味が無いのであって、それを真っ直ぐとPRしても「へーなるほどですね(^o^)」となるわけである。「努力なら誰にも負けない」とアナタがいうときに、自分がいかにメタで見れないかを相手に伝えるだけで、アナタの体内における努力含有量は伝わらない。

まず自己紹介の目的を名前を覚えてもらうこととしよう。自分を語らず、名前について語ることで、自分を語ることになる。

僕は「井上大輔」という名前なのだが、まあよくある名前である。そこで「井上の名字の覚え方、井上はどこにアクセントがあるのか。家に井戸があるから井上の名字はルーツなのか説」の話をすることを通じて、井上大輔という名前に対し、僕がどう考えているのか?を語ることで自分という人間が語られることになるのである(多くがこの自己紹介で、井上って面倒くさいタイプの人だと認識してくれる。その通りである)

もしくは僕は以前にシェアハウスに住んだときの自己紹介は、相手から話しかけられるを目的にし、自己紹介をした「今まで料理をしたことが無いけど、将来の夢は世界一美味しいチャーハンを作ることです。よかったら僕が作るチャーハンの練習台になってください」という話をして、そこから世界のチャーハン井上という名前で覚えられた。みんなから「世界一のチャーハンに近づきました?」と声をかけられ、「いま世界一の玉ねぎを見つけたところ」と言う流れができ、目的は達成されたことになる。

自己紹介で、好きなもので覚えてもらう方法もある「お菓子が好きです。人が食べているお菓子にとても興味があります。食べているお菓子を教えてくれれば、その人の性格が分かります。カントリマアムとじゃがりこ好きは、ミーハーです。お菓子のことなら、何でも聞いてください」とか、そこから相手が興味があれば、相手が話しかけてくれることになる。ヘンゼルとグレーテルのように少しずつ相手の興味を惹くように話をする。

社会人の自己紹介

もしあなたが社会人ならば、将来やりたい仕事と絡めて自己紹介をすると将来にチャンスが訪れる可能性が高まる。自己啓発で夢を周囲に語ることで成功率が上がるというハックがあるが、あれは夢を周囲に語ることで自己暗示的の利点が書かれているが、言っているうちに相手がそれを覚えてくれるから、こいつに任せてみるかなと思われるのが要因かもしれない。

僕の会社のビジョンは「誰でも自分の居場所が見つかる」である。そのビジョンと自己紹介を絡めることで話したい。井上は井戸端会議の語源の流れで、井戸端会議=居場所という流れだが、話しの展開が微妙で、ハマりが悪い。もう少し練習が必要である。ちょっと暇が出来たら話しを練る予定だ。

自己紹介を仕込む理由

相手に対して、自分を何で覚えてもらうのか?は自分の営業方針であり、戦略である。よく漫才で「これだけ覚えてかえって」という「これだけ」は何を覚えてもらうか?になる。例えば人脈を作りたいなら飲み会キャラでも良いわけで、飲み会になれば声が掛かるように作り込むのも一つである。途中でそのキャラに面倒になることはあるのだけど(みんな本当にずっとチャーハンのネタを振ってきてくれた)それだけ初手のインパクトは大きいとも言える。

コミュニケーションが苦手と思っている人は多いと思うが、苦手だから初手でコミュニケーションをリードした方が良い。ここで「コミュニケーションが苦手なので、いつでも話しかけてください」と自己紹介をする人が居るが、そうではなく「コミュニケーションが苦手ですが、漫画のガラスの仮面とフィギュアスケートのことなら朝まで話せます」とか相手が「覚える」か「話しかけやすい」フックをつける。誰しもコミュニケーションはそれなりに苦手なものである。できるだけ相手が話しやすいコミュニケーションのための自己紹介をするのは、大人の気遣いかもしれない。というわけで、最近重いエントリー続きだったので、今回は新入生や新社会人向けのゆるいエントリーでした。春ですね。っと。

@igoue
C向けのサービスをよく作ります。誰でも自分の居場所が見つかるサービスを作っています(好き:みてね、タイミー)Watt_ceo@inoue