これまでに世の中を変えたスタートアップってどれだ?

Watt_inoue
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先日、本ブログで「スタートアップ起業家は、世の中をこうしたい」という考えを持っている人だ。と書いた。

今回新サービスをスタートするにあたり、自分は世の中をどうしたいのか?をあまり書いていないことに気づくという。

その話を書く前に前提のすり合わせをしたい。

世の中を変えるって、どういうことだろう?

今まで世の中を変えたサービスは考えてみよう。水道はどうだろう?Water Transformationは世の中を変えたか?電車は?鉄のレールが世に敷かれ、日本で列車が横断することで世の中は変わったのか?Train Transformation(変形しそうだ)。

これらは世の中を変えたサービスとしよう。世の中を変えることは、今までの社会と人のつながり、関わり方、それらを媒介にした関係の作り方が変わる。それにより過去の行動が一変してしまう。水道があることで、誰でも水を使えて、トイレというテクノロジーが実装され、汲み取り式のトイレの多くが姿を消した。水汲みを毎日していた人の習慣が全て変わってしまった。それは日本人の多くの習慣だったはずだ。国の事業でも、もとはスタートアップでしかないと考えている。そして最近ならUberやTinderも世の中を変えたサービスだろう。

余談だが、世の中を変えるには、とても時間が掛かる。現代に生きる我々は、電話の利便性は明らかに感じるが、電話が社会を変えるまでに、技術開発から実際に一般の人が利用するために要した時間は50年以上かかっている。1876年アメリカのグラハム・ベルが技術を開発し、1890年に東京横浜間で電話サービスから始まり、1940年で契約が100万人突破した。それでもまだ100万人。

前提が長かったが、僕らである。

僕らは

「誰でも自分の居場所を見つけられる」

世の中にしたい。と考えている。

僕は人が幸福を感じるかは、自分の居場所があるかどうかが最大因子に思っている。自分がその場所にいつでもアクセスできて、いつでも歓迎されて、安心して過ごせる場所、そこに行けば人とのつながりを感じる場所。それがあるかどうか。家庭や、職場、学校にあればいいが、無いならママさんバレーの体育館でもいいし、近所のスナックでもいい。

もしみなさんが、引っ越しや転勤で、いまの住まいから離れたら、どうやって自分の居場所を作るだろう?どんな方法があるのだろう?

僕が思うに、その手段は多くない。もしくはとてもハードルが高いものばかりに思う。知らないフェイスブックのコミュニティーに連絡が出来る人は、そう多くないはずだ。

社会を変革するためには、数千万人が使うサービスも基準としたい。それぐらいの規模感でなければ、社会が変わったとは言えないはずだ。例えばメルカリ。

そういった意味で僕は日本の多くの人が自分の居場所だと感じる場所が見つかるようになってほしい。まず居場所は飲食店を候補にしている。いつでも行けて、ちょっと愚痴れて、まわりともつながれる、飲食店をそんな居場所にするサービスである。日本には優れた飲食店が多い。日本中の飲食店を自分の居場所にするには、まずはISSUEから。ISSUEを解決し、気軽に飲食店に足運んでもらう。そして飲食店体験を良くする。まずはそこを達成したい。そして居場所になるようなテクノロジーを実装したい。

社会に実装するために1番大事なことは理想だ。理想があることで現実のギャップが生まれる。そのギャップを人に伝えることで、人は理想に気づくのではないか。その理想を悪くないと思う人が増えることで、大きなモメンタムになるはずだ。もちろんギャップを埋めるには戦略と実装の一致は大切だ。ただそれよりも大切なことは、理想を聞いた人が腹落ちするかではないか?そんな世の中の方がいいじゃん。って思えるかどうか。「おし、一緒にやりますか」と思えるかどうか。

世の中が変わったことが価値なのか?

ここで自分はふと思うが、ここ50年で世の中を大きく変えたものは、インターネットである。インターネットによって、我々の生活は大きく変わってしまった。移動も、食べるも、住むも、買い物も、エンタメも、人の出会いも全て変わってしまった。とても便利であり、快適である。利便性も快適性も享受した日々を生きている。ただ同時に、もうこれ以上の利便性をもう求めていない。これ以上早く移動することも、これ以上生活の手間がなくなることも(仕事と役所の書類の手間はもう少し何とかしてほしいことはあるが)大量のエンタメも(僕はこれ以上新作のエンタメが出ないと言われても何ら困らない)ネットを通じた人の出会いも、もうお腹いっぱいである。少なくとも自分はそう思う。

そこに必要なのはインターネットを通じて、効率的になった世の中で、いったいどうなるのか?というビジョンが見えないことが大きいように思う。生産性が高まったとして、1日の労働時間が6時間になり、2時間の可処分時間で、こんな素敵なことが出来ます。みたいなビジョン。

世の中が豊かになった文脈で、世の中を変えたスタートアップを考えてみるとあまり思いつかなかった。最近なら僕はタイミーであり、履歴書ナシで採用される世の中って、心から凄いと思った。もしくは任天堂。airbnb。エニカ。とかだろうか?非常に少ない。

僕は楽観的な人間というのもあるが、未来は、きっとそういうスタートアップが増えていくんじゃないかなーという気がしている。資本主義のルールに則り、社会奉仕の精神を持って、みんなで経営して、世の中を豊かにするスタートアップが増えるのではないかなという予想である。我々も非常にスケールの大きい領域にチャレンジしていると思っているし、そのために多くの人を巻き込む必要がある。誰でも自分の居場所が見つけられる世の中にし、少しでも世の中を豊かになるように貢献したいと思う日々である。

@igoue
C向けのサービスをよく作ります。誰でも自分の居場所が見つかるサービスを作っています(好き:みてね、タイミー)Watt_ceo@inoue