事業の立ち上げ3ヶ月でやったこと

Watt_inoue
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事業立ち上げの3ヶ月で何をするのか?をまとめた記事です。

事業立ち上げのリアルな状況を書きますので、事業立ち上げる人の参考になれば。事業立ち上げフェーズはデマンドの有無こそ。そう!ファーストステップは、全スタートアップの鬼門「PMF」への検証しかない。過酷な道のり。

そこでビジョンを細分化して、ステップごとに提供できる価値を言語化し、検証できる要素に切り刻む。

デマンド(ニーズ)があるのか?の検証が常

僕らは飲食向けサービスで、飲食店(サプライヤー)とユーザー(デマンド)の2sidePlatformの事業になるが、サプライヤー側は、出せば売れるかが最重要になる。まず検証すべきは、サプライよりもデマンドである。デマンドがあるのか?を最初に検証したい。

というわけで事業アイデアを固め、まずは知り合い何人かに着想を話しFBをもらい、説明資料を作成していた。それでFBをパワポに反映させて、簡単なデモをパワポに入れて再度知り合いに説明し「これあったら使う?」を聞く。

まあ「使うね」ってみんな言うのね。みんな良い人である。今、どういう代替手段があるのか?を確認していく。そこらを含めてデモを作成の最小要素を考える。

MVPで検証するのは是か非か?

デモ作成のセオリーは、サービスを作り込むなである。MVP的な作り込みである。ここはサービスの価値が何で、その価値を提供できたサービスになるまでは作り込みが必要であり、僕らのサービスは、めっちゃUX型なので、どこか作れないと微妙に検証にならない。

例えば僕の場合、ビジョンからの逆算をしてプロダクトに落としておきたいので(居場所が見つかる)、関連したデータは何で、どのように取って、どのように紐づけるのか?レコメンドはどのようなアルゴリズムが必要で、そのためのデータはなんだ?となる。これもシンプルにデマンドドリブンではなく、サプライヤー側の公平性の観点も必要だ。新規サプライヤーが割を食うのは微妙なサービスだ。例えばSpotifyで人気ランキングは常に人気アーティストに独占されていると、新規アーティストは入れないのである。ここはエンジニアと何度も話し合って、我々のサービスのファーストステップのUXが必達は何か?未来のビジョンから考えて、どのデータを考えておくか?そしてそれはあつめられるのか?集めたとして未来そのデータでビジョンが体現できるのか?は議論をしながら、できるだけ小機能のデモを作成する。

検証の学びはドキュメントに落としリアルタイムに更新しておく。きれいな文章はあとで書けるが、今の熱は今しか出ない。どこで自分が躓いたか?をメモに残して、あとで整理する。

デモ作成までに検証の土台づくりが2ヶ月目

2ヶ月目。デマンド側のKPI検証のためのMVPベースの施策と検証の数値と、数値がどうなったらOKかをすり合わせておく。またデマンドごとの予想顧客とユースケースも洗っておく。デマンドがあるか?と言うは簡単だが、デマンドがいつあるのか?の議論も必要である。だって、いくらラーメン好きでも、お腹が空いていないときやなにか他のことがしたいときは食べには行ってくれない。できるだけ可能性があるチャネルをいくつか用意しておく。

そしてデマンドのみの検証で走っちゃうと全体が見えなくなることもあるので、何度も戦略と実装を確認しにくい。デマンドの検証とビジョンの確認である。

サプライヤーも集めるのも同時進行!

デマンドのKPI検証の準備と同時にサプライヤー集めである。鶏卵問題がつきまとうのが2SidePlatformの宿命である。僕もセールス要員となり、アポは取ってもらって、アポの合間はドトールに常駐しながら利用規約や契約書の作成もした。ただ自分がダメダメだと思ったのが、ここでSTUDIOでサイト作ったり、カルチャーデックを作成したりしてしまった(インターンを採用したかったので)すぐに手を動かしてしまうのは、自分の悪癖でもある。

出来る検証は早めに終わらせつつ、再現性の確保と。

自分でセールスをやりながらCRMが必要だなと思い、CRM更新ルールを設計し仮説検証のための仮説検証シートも作成していた。この目的は再現性となるわけだが、これはやらなくても良い。自分の悪いクセで立ち上げ3ヶ月目までは再現性無視で良いと思う。マインドセットの観点でも、PMFの検証のみやろうぜ。とするほうがモメンタムは良いと感じる。

そうこうしていると、サプライヤーも獲得できた。あわせてKPIの初期検証が完了した。結果は競合他社のテレアポ率と商談率よりも3倍も良かった。熱い反応があったということになる。学びをドキュメントに書いておく。

3ヶ月目はデマンドの検証あるのみ

もうあらゆる手を講じてデマンドの検証あるのみである。新規のお客さんのチャネルと同時に、友達を総動員して、知り合いを総動員して、僕は父親も総動員して(ひとりだ)検証をする。父親が、とても強い反応をしてくれた。友達は友達バイアスがあるので、なんとも言えないところもあるが、辛辣な友達であれば、あるほど良い。静かに聞いておく。

ここで僕らの失敗は、UXを複雑にして、検証すべき変数が複雑になってしまったことだった。具体的に言うと、決済が邪魔になってしまった。UXとして先払い決済を導入してしまい、サプライヤーもユーザーも混乱をさせてしまった。あわせてターゲットユーザーの磨き込みが足らず、ターゲットのエリアと検証したいユーザーのズレを強く感じてしまった。

ここで、一旦検証を辞め、プロダクトのブラッシュアップの要件をまとめつつ、開発しつつ、2打席目の検証の準備中である。1打席の検証が3ヶ月である。今のバーンレートを見ながら、あといくつの仮説検証が可能かを考える。

ここは経営陣が全員で現場ファーストで見る必要がある。うちのスタッフの1人は、深夜の飲食店でバイトしたり、別のスタッフは毎日外食でWattを利用してみたりと全員がインサイトを得るために現場でワークをすることになる。毎日驚きと発見である。だからスタートアップは楽しいのである。そして、どんどんつらくなるのである。誰にも会わずにほぼプロダクト作りにコミットするのが、3ヶ月のスタートアップの状況であります。

@igoue
C向けのサービスをよく作ります。誰でも自分の居場所が見つかるサービスを作っています(好き:みてね、タイミー)Watt_ceo@inoue