私に性欲が無ければだいぶ楽だったろうに、と思う場面は少なくない。多いと言うほどでもないが、それはそうとキショ……となる場面はままある。特にツイッター上で。
こと創作の文脈において、私は原則として性欲を存在しないものとして扱っている。創作において興味があるのは感情の動きであって、性欲は (通常の意味での) 感情では無いからだ。社会的合意とかいろいろあるので性欲の発露とそれに対する反応で感情を云々する手法は広く知られているが、わざわざキショい道を通る必要は無いので、私はそうしていない。
感情を表現するにあたって性欲を使うのが便利なのであって、性欲のために感情を取って付けるのはかなり私の立場とは相容れない。ボケだ。口が悪いが、それだけ私が性欲に大してどれほど悪感情を持っているかわかろうというものだと思う。ツイッターでよく見る、あからさまに性欲な (しかし表現の原則的な意味においてNSFWではない) 2コマ漫画とか、そういうものはばかだ。
ところで、5/2の日記で私は音声作品を作りたいと述べた。実際、プロットを完成させて台本本文に取り掛かっている。進捗2, 3割といったところだ。ということは、これにおいて私は性欲を取り扱わねばならない。
最終的に、私の中でR-18売り場で売ることが決められた。これは全年齢では売上が全然出ないのは勿論、R-15でさえ、というか私がすごく高く評価している、R-15作品ばっかり作っているサークル (ぺーるとーんれいんぼぅすたーさん) でさえ、やはり200や300程度しか売上が出ていないものばかりになっており、それに衝撃を受けたからだ。つらい。
感情が始めにあって、それが表現されるなら媒体はなんでもいい。性欲は黒い絵の具めいてほかを染め上げてしまうのでなるべく使いたくないのだが、上記のような事情により、遺憾ながら性欲を使うことにした。
さて、性欲を使うと簡単に言ったが、これはこれで困難ではある。さっきも言ったように、性欲はコンテンツとして強すぎるのだ。風鈴を鳴らそうとしているのに、台風を以てそうしなければならないような状況に追い込まれている、と言ってもいい。それを御する経験を積んできているならまだ良いが、私はやっぱりこれを避けてきた。風鈴を吹き飛ばして満足とする立場にいつの間にか堕してしまわないとも限らないからだ。
むずい、キショい、むずい、キショい!
がんばれ、未来の私。今の私は気力が尽きてしまった。ファンタジー性欲コンテンツをなんとかしてくれ。