生活圏に図書館があるの、本当にありがたい。
頻繁に新しい話題の本を入れてくれるし、リクエストをすれば他所から取り寄せたり、ものによっては新規で購入もしてくれる。大好きだ。
ツイッターではおもしろげな本の情報がたくさん流れてきて読みたい本は無限に増えていくので、思い出した頃に頼んで読んでいる。で、『現代民俗学入門』を借りて読んだ。
『現代民俗学入門』、生活の身近な話題や冠婚葬祭などいろんなものを「これも民俗学だよ」と解説するもので、各テーマ見開き2ページ、イラストも豊富なのでさらっと読めてよかった。この手のテーマが好きな人には既知のものが多いかもしれないが、参考・関連文献の紹介もあるから深掘りしたければ次に読む目星もつけやすい親切さがある。私は贈与論萌えの人間なので、その辺りのテーマが多くてたのしかった。あとファンへネップの儀礼の話とか、ネットミームの話も。
それで読んでいてひとつ驚いたことがある。恥ずかしい話なのだが、「ごはんをおかわりするときはお椀に一口分米を残しておく」というのを初めて知った。知らなかったことにわりと深刻なショックを受けた。おかわりをする時にも普通にごはんを残さずに食べたうえで盛るものだと思っていたし、逆に残したお椀でおかわりを要求するのは無礼だと思っていた。家でも他所でもそのようにしてきたので、普通にやらかしてきたというわけである。
「中国では振る舞われた食事は食べ残すのが正しい」とか、そんなよそのことを漫画なんかで読んで知っているつもりになっていて、こんな身近なところで重大な抜けがあるなんてとんでもないな と思った。
でも、民俗学は面白い。大小問わず特定の集団の中で正しいとされる/よくないとされる/適切な言動やルールの話、こういうのを勉強してみたかったなとちょっと思う。
そういえば昔幼い頃、祖父母の家で遊んでいる時に「夕方5時以降はかくれんぼはしてはいけない」と割と強めに言われていた。あれは単にもうじき夕食だから大人しくしておけという話だったのか、それとも何か神隠し的なあれやそれやみたいな理由があったりしたのか。今となってはもう何もわからないのだ。