下山の魔物に触られる

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公開:2025/11/24

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深夜に目が覚めて眠れなくなったので、Blueskyに投稿しようと今日のことを書き出したらなんか長くなったのでこちらへ。台湾旅行とか他に日記に書くことがある気がするけど、すらすらと書けることを書くしかないね。

まだ猛暑の頃に「紅葉の時期、山でお茶会しましょう」と友人に誘われたので常々広々とした山頂でゆっくりピクニックしたい思っていた陣馬山を選ぶ。それなら行ったことのないルートで行こうと藤野駅から一ノ尾尾根経由で陣馬山に向かう。藤野の集落を流れる沢井川が紅葉と朝日できらきら光って澄んで美しかった。なだらかに登っていく登山道は友人とずーっと喋りながら登っていても息が詰まらず丁度良い。よく喋る人だとよく知っているけど、しかし本当によく喋る愉快な人だと思う。面白い。こんなに喋りながら山を登ることってない。この人と歩く時ぐらいだ。山頂に着いて友人が珈琲豆をごりごり挽いて淹れてくれて、また茶をしばいてずーっと喋る。快晴無風の陣馬山山頂の草原は気持ち良く、後ろを振り返るとここは代々木公園か?と思うぐらい人が多くてびびった。今にもフリスビーか大縄跳びが始まりそうな空気感。いつも朝早くに通り過ぎてしまう場所なので賑わう光景は初めて見る。そこら中で昼寝をしていた。正しい過ごし方。

3時間たっぷりお茶会をして、明王峠から相模湖駅に向かって下山。これまた延々と喋りながら下山していた終盤、階段状のところで後ろを歩いていた友人が短く叫んでかさついた落ち葉の音がする。振り返ると前転しそうな勢いで転がっているからガッと肩を押さえて止めた。転んだ拍子に両足を捻ったようで動けない。しばらくすると左足の痛みは引いて動かせるというので、ゆっくり下山を開始。わたしはストックを使わないし、残念ながら友人も今日は持ってきていなかったから肩や手でサポートして歩く。通常時なら何でもない道なのに足を引きずる人には過酷で、こういった時にストックがあれば便利だな〜と思う。すぐそこに相模湖の水面の反射が見えて中央道を走る車の音がするのに、あと少し、もう少しが本当に長くて歯痒そうな様子。下山の終盤+すぐそこ街+日没まで時間がある+気温が高い+急変したとしてもわたしが救助を呼びに行けるので心に余裕があって良かった。もう笑うしかないと本人は開き直りつつ励ましつつ人生を嘆きつつ歯を食いしばって下山。どうにもならない時はどうにもならないけど不幸中の幸いでどうにかなって安堵…他人事ではないと肝が冷えた。ヒヤリハットはいくらでもある。途中で追い抜いていった登山者も「俺もあと少しで下山って時に骨折したことあります…」と話していた。わたしも転倒して顔面血だらけの人を見たことがある。怖いね。こんなところで何故ってところで何かが起こるから下山2/3地点は油断大敵。魔物に触れられないようにしなくては。駅までの道、すれ違う地元のおばちゃんが全員心配して話しかけてくれて優しい。

「この感じ…分かります。何度も怪我してきましたからね、分かるんです。これは折れてないっす!捻挫ですね〜〜!」「歩けるってことは大丈夫ってことなんで」と友人は話していたけど、後から聞いた診察結果は骨折。…よく歩いたな!!!

友人と別れて帰宅してみると、喋り過ぎたのか気が張っていたのか疲労困憊な気分で顔がしわしわになる。

友人が水4ℓ(わたしも2ℓある)と珈琲豆200gを担いできたから飲み放題と化して爆笑。

@imadokodayo
眺めのいい顔になりたい。