夢見が悪い

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最近見る夢の話。やや残酷なので苦手な方は回れ右を。

枕を新調したせいなのか、SAWシリーズとヘル・レイザーシリーズを立て続けに観ているせいなのか知らないが最近夢見が悪い。夢の中でわたしはわたしとして存在しておらず、空気もしくは画面の向こうで映画を観るかのように夢を眺めていて干渉は出来ない。だいたい舞台設定は全体主義に傾いて間もないような日本や韓国で、反乱分子への弾圧や自警団による私刑で拷問が横行する近未来ディストピア調。映画で観る分には好きだけど夢で見るにはきつい。

拷問方法はなぜか毎回水責めに決まっている。 SAWやヘル・レイザーに出てくるような趣向を凝らした人体破壊を思い浮かべるとシンプルに思えるけど、拷問にシンプルもくそもない。人々を裸にし(これも決まって10代半ばから20代半ばの女性のみで、2人だったり5人だったりをまとめて)水を浴びせ続ける。水圧の加減が出来るホースから一点集中で水を浴びせ続けることで皮膚はふやけて破れる。ピンク色の肉が見えた。本当にそうなるのかは知らない。彼女たちは青白い顔面で震える体から呂律の回らない言葉を絞り出すけど、言葉が拾われることはないし尋問の終わりは設定されていない空気を感じてゾッとする。だいたい最後まで見届けることなく終わる。叫び声を夢で聞き続けるのもしんどいから見届けたくない。

単調で絶え間ない繰り返しが暴力となって人体を変化させるのが恐ろしい。伊坂幸太郎の『火星に住むつもりかい?』では室温をどんどん下げて体温を奪うことで正常な思考の働きを妨害する尋問(拷問)の描写があった。「なんてシンプルな」と思ったけど、分かりやすく痛みを与えるだけが拷問ではないし、人間はとてもシンプルな生き物なので容易く奪われるし奪えることを知った。その読後の印象がこの夢見の悪さの土台を形作っているのだと思う。

夢を見ること自体が少ないし、現実に属してもいない夢らしい突飛な夢を見ることも少ないというのに、なんでこんな拷問場面ばっかりの夢を立て続けに見るのだろう。夢占い的には何なのよ。完全な部外者として物事(世界)に干渉出来ない立ち位置の自分というのも何とも。あー。楽しい夢を見たい。

@imadokodayo
眺めのいい顔になりたい。