「ハズビンホテルって知ってる？」
2024年2月。私はマッチングアプリで知り合ったクィアの友人たちに最近気に入った海外アニメ、ハズビンホテルの宣伝をしていた。
ハズビンホテルとはいったい…？と思った君！説明しよう！ハズビンホテルとは、アメリカのインディーアニメである。パイロット版が2019年10月に公開された後そのクオリティの高さとキャラクター造形の上手さで話題を集め、2020年にはA24がテレビシリーズを制作することを発表。2024年1月に『ハズビンホテルへようそこ』のタイトルでAmazonプライムビデオで独占配信された。
どんなお話なのかというと、主人公である地獄のプリンセス、チャーリーがまわりの人々の協力を得ながら地獄に落ちた人々が更生するためのホテルを作り、様々なハプニングに見舞われながらも仲間たちとの絆が強まっていく…そんな話である。地獄の人口が増えすぎてしまったという問題が発生しており、反乱を防ぐために天国の軍が地獄の民を粛清、つまり大虐殺を行っていた。チャーリーはどうしてもそれを止めたかった。何の罪もない（罪はある、罪があるから地獄にいる）地獄の民が殺されていくのを黙って見ていられなかった。彼女は増えすぎた地獄の人口を減らすためにハッピーホテル（その後のハズビンホテル）というホテルを作り、地獄の民たちを更生させ、天国に送り出すという計画を立てた。その計画に乗ったのはまさかの人物、地獄で有名な殺戮者、ラジオ・デーモンことアラスターだった＿＿＿。
まあここらへんはパイロット版でもっと詳しく描かれてるから、みんな見てね。
Hazbin Hotel Pilot で調べれば有志の日本語字幕版も出てくるよ。
私自身2024年のAmazonプライムビデオ配信で初めてハズビンホテルのことを知り、そのままハマった。なぜなら海外アニメがそこそこ好きな私でも驚くくらいクィアで、キャラクターがみんな魅力的で（ヴィランも魅力的！）話もとても面白く、とても楽しくとても深い沼だったからだ。
私は特にエンジェルダストというキャラクターが好きになった。エンジェルくんはゲイのポルノスターだ。彼は自分の仕事に誇りを持っているセックスワーカーで、下ネタばかり言うけど実は健気で友達思いのめちゃくちゃいい奴である。
エンジェルくんには複雑な事情があり、簡単に言うと上司からハラスメントの域を超えた虐待・支配を受けて自暴自棄になり、ネグレクトをしてホテルの友人たちにも当たってしまっていた。（ハズビンホテル シーズン1 4話）そんな時に、絶望の縁にいたエンジェルくんに手を差し伸べたのはハスクという、元上級悪魔の酒飲みギャンブル好きおじさん猫ちゃんだった＿＿＿。
ちょっと、何も知らなくてもいいから、これ、見てね。
男ふたりのケアの歌で、ふたりの信頼関係の始まりなんだよね。ハスク自身もギャンブルに負けてアラスターに魂を売ってしまっていて、服従関係にある。そんな"負け犬"たちが歌って踊るのがこの楽曲、Loser, Baby だ。
これがすごい、すごい良くて…。
（ここからオタク語り）私はエンジェルくんが好きだから、エンジェルくんのことを苦しめる奴のことは許さないし、エンジェルくんには笑顔でいてほしいと思ってる。
だからハスクとか、チャーリーとか、エンジェルくんのことを本当に思ってくれる人がまわりにいてほしいと思っているし、だからホテルにいてほしいんだよね…。
この前久々にパイロット版のハズビンホテルを見たら、エンジェルくんがいちばん変わっててびっくりした。ハズビンホテル本編、シーズン1の終わりの方のエンジェルくんとパイロット版のエンジェルくんは本当に別人だった。パイロット版のエンジェルくんも友達思いで、落ち込んでるチャーリーに手を差し伸べようとしてたし、相棒のチェリーボムちゃんの手助けに行っていた。根はいい奴なんだろうけど、ドラッグとセックスにまみれたあの頃のエンジェルくんと、シーズン1終盤のエンジェルくんはまったくの別人だと思う。
詳しくは見てねとしか言えないのですが…。
そんなこんなでハズビンホテルに、エンジェルくんに、ハスエン（ハスク×エンジェルのカップリング名）にめちゃくちゃハマってしまい、しばらくハスエンのことばかり考えていた。
が、シーズン2配信まで1年半くらいあったので、心のどこかでハスエンを愛し続けながら私は別ジャンル（というより元のジャンル、K‐popなど）に移動していた。
ところが今秋、シーズン2が配信されるとの情報が入った。
なんやかんやでまだちゃんと観れてはないのだけれど、タイムラインでネタバレを拾いまくった挙句、またハマった。
（この後シーズン2ネタバレあり、というかネタバレしかしません）
なぜハマったかというと…これである。
ドラッグ姿の…エンジェルくん？！
しかも冒頭綺麗なお姉さんが出てくることを期待していたハスクが吹き出して赤面するシーンである。
これがタイムラインに流れてきたとき、私は本当に驚いた。何しろあのハスクが、ギャンブルと酒好きのおじさん猫が、エンジェルくんに赤面してるのである。
でも、分かるよ…とも思った。動画を見れば分かるのだけど、エンジェルくんの歌う姿はあまりにもセクシーで、魅力的で、圧倒的で、思わず目が奪われてしまうくらい美しかった。
ここまでほとんど言及していなかったが、とても重要なのが、ハズビンホテルはクィアなアニメで、主要登場人物のほとんどがセクシャルマイノリティ当事者である。
主人公のチャーリーはバイセクシャルでパートナーのヴァギーはレズビアン。ラジオ・デーモンことアラスターはアセクシャル。エンジェルくんはゲイで、ハスクはパンセクシャルである。
ゆえにエンジェルくんとハスクが恋愛関係になる可能性は、ワンチャンどころがめちゃくちゃあるのである。シーズン1の4話のふたりのやり取りと楽曲（Loser, Baby ）から Shipperたちはだいぶ盛り上がっていたが、シーズン2のこのシーンで、ハスクの赤面で、ふたりがこれから恋愛関係へと進んでいくという展開が示唆されていたように思う。
シーズン2はタイムラインに流れてきたこのシーンと最終話のふたりのシーンしか観ていない。だからまだ何も語れないのだが、今シーズンにはエンジェルくんの過保護オタク、そしてハスエンのオタクにとってはかなり厳しいシーンがたくさんあるようだ。覚悟を決めて視聴しようと思う。
観たらまた書きます♪