
食材の買い出しは週一で、その日に作り置きを作る。
ウマいものは店で食べればいいと思っている。
プロが時間とコストをかけているのだから、「美味さ」はそこにある。
おれの家は料理の主担当がおれであって、おれは料理のプロではない。どんなにがんばってもプロにかなうわけないし、本当に美味しいものはお金を出して購入するのが当然だと思う。
また、おれの家は保護者ふたりがフルタイムで働いているので、毎日必ず手の込んだ料理を望むのは分不相応である。全ての人に時間は平等なのだ。
だがそういう謙虚な気持ちと「できれば毎日美味しいものが食べたい」という気持ちは両立する。かつ、プロではないが料理が好きだ。
というわけで、最近は土日に作り置きで美味さと料理の楽しみを満たしている。
おれはプロではないので、料理本のレシピを守る。
料理家というのは本当にすごい。料理家が書いた手順やレシピを守ると魔法のように美味しいものができあがる。おれの目と腕を通した、ちょっとした遠隔操作である。
ほぼ遠隔操作のため、かなりダイレクトに料理家の好みの味が反映される。味の好みが合う料理家を見つけるのが料理のコツだと思う。
色々と試したが、おれの味の好みとしては栗原はるみ、小林ケンタロウ、ワタナベマキなどがしっくりきている。
この中でもワタナベマキさん(ここから敬称付き)については、『おかずの素』『自家製冷食ラボ』『冷凍保存ですぐできる絶品おかず』『ひとつの野菜でつくりおき』などの著作について、毎週開いてお世話になっている。いやほんとまじでおいしいんだ。
先ほどのワタナベマキさんの著作ラインナップからも、作り置きに向いてそうだとは感じてもらえると思う。もちろんそうでない本も多数出されているが、おれがとりわけそういう本を買っているのだ。正直、さっき調べたらまだまだあった。全部ほしい。
料理家さんはすごい。味の遠隔操作もそうだが、「1週間で食べきれる量」「スーパーで売ってそうなロット」「手に入りやすい調味料」など、至れり尽くせりでレシピが掲載されている。
おれは何も考えなくていい。ワタナベマキさんの言うとおりにすれば、毎日たいていパラダイスである。
・・・だが、料理家さんの調理方法を忠実に再現できることこそ「家庭料理が上手い」ということである。具体的に美味しいものを食卓に出せるほか、レシピの無いフリーハンドの調理の際に、その修練がちょっとだけ活きているのを感じる。
そう、おれは家庭料理が上手い。好みの合う料理家の選別とその再現、そしてその結果として、別なレシピも少しだけ上手に仕上げられる。
家庭料理人としてプライドを持っている。今日も料理ができて、この後食べるメシが美味いので幸せだ。