今年31になるところである。願い事はまだ叶っていない。
31というと若いとも中年ともいえない半端な年であるが、夢を追うには遅すぎて、夢を叶えるにしては早すぎるところだ。
もっとも長いというのもなんとも抽象的で「なんか物を作って,それを売って生活していければなぁ」などと度数の合ってないメガネをかけたのかと思うほどにピントが合ってない。
小説家を目指すとなって文章を書いても本を読まなかった弊害で数行書いては行き詰まり、イラストレーターに、なんて思えば描いてみて、あまりの下手さに嫌気がさしてやめたりしていて、身を立てるどころか完成することもない体たらくであったりする。(未だにこれを繰り返しているのだが)
そんな私が生きていけているのは、パソコンをぽちぽちするのが人より少しだけ得意でうまいこと隙間を見つけて仕事をもらえているからである。
大学の卒業時、研究室の教授の紹介してもらった知人と会社を立ち上げるという貴重な経験をさせていただいたのが、今の生命線というか命綱になっている。その経験と肩書きが、老衰したゴミ屋敷の主人の家の中で,かつての栄光に輝く写真と勲章のようなもので、その周辺だけ綺麗に整っていて、生活空間として成り立っているのだ。
このゴミ屋敷にはもう一つ居場所がある。大学時代のアルバイトをしていたゲームメディアの人々と共に開発しているゲームがある。こっちはどちらかというと家族写真というべきか、そんな居場所である。
幸いゴミ屋敷というには、捨てるべきものは多くないように思うが、これ以上物を置くところがないので、人生経験という家を広くしたい。
なので今日ゲームの効果音を使って何か面白いことができないかと、Teenage EngineeringのK.O.というサンプラーを買った。家に置く場所はもうないが、ポケットサイズのこいつなら部屋がゴミ屋敷にならずに済むだろう。