ガーデニング、正確にはガーデニングもどきを始めた。
父の死後、放置されていた実家の庭がジャングルになってしまったことが発端である。父が亡くなった直後はシルバー人材センターにお願いしていたのだがなかなか予約が取れず、なるはやでも2か月後になると言われて断念。梅雨から夏にかけて、私、夫、弟の3人で庭の除草作業をした。全員、庭仕事には不慣れである。そして全員、虫が苦手である。そして全員、雑草と非雑草の区別が付かない植物オンチである。
作業は難航を極めた。週末を3回ほど費やしてなんとか雑草(と雑草以外)を抜いたのはいいが、抜いた草をどうするのか?という問題に直面した。まあまあ広い庭がジャングル状態にまで育っていたのだから、ゴミ袋10袋くらいではとうてい入りきらない。しかも、1世帯につき1回2袋しかゴミ集積所には出せないというルールがある。清掃センターに持ち込む方法もあるが、「誰の車に積むんだ?」と揉めた。軽ワゴン車である実家の車一択だったのだが、諸々の手間を考え却下となった。
結局、抜いた草は積み上げて枯れるのを待ち、庭のあちこちに穴を掘って埋めた。全部埋めることはできなかったが、8割くらいは埋めた。8か月以上が経過したいま、埋めた草はほぼ土に還ったと思われる。
除草プロジェクトと並行して、ハーブガーデンプロジェクトにも挑戦した。こちらは勝手口脇の小さな花壇スペースにハーブを植えるという、超初心者向けのプロジェクトだ。そうめんの友である青じそ、パスタをおしゃれに演出するバジル、チキンのグリル焼きに合いそうなローズマリーを植えた。実家に滞在中は毎日水やり。植えてすぐに青じそとバジルに虫が付いた。ネットで調べて、ペパーミントとレモングラスの精油を入れた水を毎日スプレーした(実家滞在中のみ)。そのうち、小さな虫が付いていてもあまり気にならなくなった……というか、目が悪いので小さな虫はほとんど見えない。「見えていなければ存在しないも同然だ」と考え方をシフトした。
ハーブプロジェクトは予想外の大成功を収め、実家滞在中は来る日も来る日もそうめんを食べる羽目に。バジルもたくさん収穫できたので、なんちゃってジェノベーゼソース(材料:バジル、オリーブオイル、ニンニク、塩)を作って冷凍保存。毎朝のようにピザトーストを食べる羽目になった。
ローズマリーが一番元気に成長し、花壇スペースからはみ出るほど広がった。香りが強いので虫も付かない。心なしか、ハーブガーデンには雑草が少ない……気がした。チキンのグリル焼きは1回しか作っていないのであまり活用できていないのだが、元気なハーブであることは間違いない。
そこで、今年はハーブガーデン拡張プロジェクトを始動。庭にもハーブガーデンを作ることにした。とりあえず、成長の一途を辿るローズマリーを挿し木することに。去年スギナが密集していた区画にローズマリーを大胆に植えてみた。スギナ対ローズマリーの直接対決である。別の区画には、園芸店の店員さんのアドバイスを参考にして、イタリアンパセリ、日本ハッカ、ラベンダーを1株ずつ植えた。
今年もすでに雑草がどんどん伸び始めたので除草した。今回は草刈り機の使い方を覚えて、タンポポのオバケみたいなやつを片っ端から成敗。もちろんまた穴を掘って埋めた。ただし、今年はひと味違う。雑草堆肥の作り方をYouTubeで調べ、実家で毎日発生する米ぬかも有効活用。ついでに、生ゴミコンポスト(穴を掘って生ゴミと米ぬかを放り込むだけ)も始めた。
問題は、これから増えるであろう虫だ。虫だけならともかく、裏のクリークからヘビやらカエルやらカメやら侵入してくる。虫のシーズンが本格化する前にレモンの木とサツマイモを植えたいと考えている。食べられるものばかり植えるのはケチの習性である。
夫が「キミんちでみかん食べてたら種がたくさん入っててさ、庭に植えたらみかんなるかなあ?って思って、庭に植えてみた」と言っていた。ケチかよ。