はじめてバスケットボールの試合(佐賀バルーナーズ対京都ハンナリーズ)を観戦した。関西在住の同業者さんにお誘いいただいた。「ルールよく知らないんですけど大丈夫ですか?」と聞いたら「大丈夫です!」と即答された。運良く、はじめて会場を訪れる観戦者限定の格安チケットがあったのでものは試しと行ってみることに。
会場は「SAGAアリーナ」、佐賀県が2024年国民スポーツ大会のために建てた新施設である。元々この場所には県営のプール、陸上競技場、テニスコートなどがあったのだが、老朽化がすすんでいたことや隣接する県営体育館の収容人数が少ないことなどから建て替え。県民の間ではオーバースペックすぎやしないか?という声も上がった。お隣の福岡と違い財政状況が厳しいこともあり、「そんなデカい会場を建てて運営費は大丈夫か? 誰が使うんだ? 採算は取れるのか?」と懸念されていたところ、今度はバスケットボールチームを作ると言い出したのだ。人口80万人にも満たない佐賀県にはすでにサッカーチーム、サガン鳥栖(J1、今シーズン不調で降格の危機)や女子バレーボール久光スプリングスがあるのにもかかわらずである。スポーツから距離が遠い私のような人間は「誰が見に行くん? そもそもバスケ強豪校を抱える福岡ならともかく、佐賀やぞ?」と冷めた目で見ていた。
さて、そんな中でのバスケ観戦である。事前情報ほぼゼロ。前日にwikiでバルーナーズのことをちょっとだけ調べた。ちなみに、映画『THE FIRST SLAM DUNK』は5回見た(オープニングを見る・聴くために)。ルールはよく分からないままである。
当日、会場までは家族に車で送ってもらった。アリーナ前のイベントスペースではクラフトビールのポップアップショップが並んでいて、入場前にうっかり一杯やってしまう。
キャパ8,000超の会場なのでスタッフの数も多い。ボランティアとおぼしき高校生もかなりいる。入場時に三角くじを渡され、開いてみたら「当たり」だった。「あの~、これ、当たったんですけど?」と持って行くと、ホークス&バルーナーズコラボ企画のシャツをもらった。一足先に会場入りしていた同業者Mさんの解説を聞きながらウォーミングアップを見る。この時点ではまだどっちがバルーナーズなのかも分からず。試合開始前にはコールの練習などもやる。
新しい会場なので設備がきれいで動線もよく考えられている。席の傾斜がしっかりついているので前の人の頭で視界が遮られることもなく、シート間の間隔と通路が広いので移動が楽だ。音響や映像も最新機器なのだろう。
さて、試合である。とにかく速い。「今の人はなんで…」とMさんに質問している隙に点が入る。よそ見する間もないスピードである。天井中央には大型ビジョン、サイドにはスタッツを表示するビジョンがあるが、それを見て「えーっと、今のファウルはいくつめ?」とやっている間にまた攻守交代、得点しているという具合だ。攻撃中は「ゴーゴー、サガ!」、守備中は「ディーフェンス! ディーフェンス!」、相手フリースローの時は大声と鳴り物で邪魔をする。Mさんが「ライブ行くの好きな人なら楽しめるはずです」と言っていたのがよく分かった。
試合は81-66でバルーナーズ勝利。これで4連勝らしい。ちなみに3月31日の佐賀新聞にはサガン鳥栖とバルーナーズの試合結果が見開きで掲載されていて、「バルーナーズ3連勝」「サガン3連敗」が並べられていた。手厳しい。
初のバスケ観戦は予想を遙かに上回る楽しさで、2時間があっという間だった。競技をよく知らなくても楽しめるようになっている。調べてみると、運営にはセリエAでスポーツビジネスを学んだ方がいるらしい。この日の入場者数は6,318人。来場者全員に「佐賀のり」が大入袋よろしくプレゼントされた。
試合後はアリーナから実家まで徒歩で帰宅、所要時間約30分。自転車で行くのがベストだと思われる。そう、また観戦に行こうと思っている。帰宅するとすぐに今後のスケジュールを調べた。長崎との九州ダービーがあるではないか! これは行かねば!と思い日程を見てみると……友達と温泉に行く日だった。一瞬、仮病を使ってキャンセルしようか?と考えた。さすがにそれをやると人としてのあり方が問われるので長崎戦は諦めるが、ホーム最終戦を見に行こうかと考え中。ペンライトも買ったし。