悪夢をよく見る、最近ずっと。今日の夢は、全く知らない女の子が本郷○多が演じている殺人鬼に首を絞められている夢だった、なに?
出社する日でも休日でも、六時頃に目が覚めてしまうので眠り足りない気がして嫌なんだけど、頻繁に見ていると慣れてくるもので、どれだけ嫌な夢でも半日経てばたいてい忘れてしまう。
殺されたり、誰かが殺されるのを傍観している夢が多いかもしれない。あとは追いかけられている夢とか。夢に出てくる人は知らない人が多くて、全く知らない人なのに名前をはっきり呼んだりしており(そんな名前をした知人ももちろんいない)、夢ってのは不思議だなと思う。
どこかで、夢というのは意識に混入してくる無意識だと聞いたことがある。フロイトだったと思う。覚えている夢というのは起床する直前に見たものが多く、そして起床する直前ということは眠りが浅い状態のことであるから、「夢=意識に混入する無意識」というのはあながち間違いでもないのかもしれない。
小学生の頃、誰かに夢占いの本を頂いてからというもの、私は夢を覚えている朝には、ぼやけた目をブルーライトでしょぼしょぼさせながら布団に潜ってスマホで夢占いを調べている女であるのだけれど、こうも悪夢を見る日が続くと調べる気もなくなるもので、最近は調べていない。悪夢は寝覚めが悪いのだけれど、でもあながち悪い意味ばかりではない、という印象が(何年も夢占いをしている女の)体感としてはあるので、調べなくてもまぁいいかと思うのだった。
そういえば昔、大学生の頃、当時付き合っていた先輩とキスをする夢を見て、それは半日経ってもなまなましさが全く失われず、一週間くらい思い出してはエェ……?となっていたことがあるんだけど、それはもしかしたら「夢」というのが私の意識に混入した無意識たる所以だったのかもしれないな、と、これを書きながらふと思った。
ふたつ上だったその先輩とはすごく曖昧な関係で繋がっていて、その夢を見た当時の私は大学二年生、先輩は大学四年生で就活を終えて卒業を控える身。その頃の私はちょうど一ヶ月くらいの短期留学を終えて戻ってきたところで、お互いに「な〜んか心機一転だねぇ!」みたいな、別れを予感するようないっときの爽やかな関係だったのだが、深層心理としては別れたくなかったのかも。なんだかんだ先輩が卒業して就職しても1年くらいはずるずる会ってしまっていたので。
その夢を見た日はちょうど先輩と大学で落ち合う約束をしていて、顔をあわせてからその夢の話をしたあとにキスをした。そのキスも素敵だったような気がするけど、でも"そういう"夢を見た、という事実の方を今もしっかり覚えている……あるいは忘れたくないな、と思っているのは、私に流れるロマンチストの血なのかも。ロマンチストというのは、まぁまぁ勝手な生き物である。
不思議なことに、悪夢を見たくないなぁ、とはあまり思っておらず、眠るのも怖くない。幼い頃にも連日悪夢を見ていた時期があって、母親に頼んで抱き枕を買ってもらうような子どもだったけれど、今はそれ以上に日々の生活で考えることが多いので、悪夢にかまっている暇がない。生活とは、または時間の積み重ねというのは、もしくは大人になるということは、良いことも悪いことも一緒くたにして津波のように押し流してしまう、そんな力がある……。