リアリストでロマンチストが好き……っていうのはもう十年以上前にHQの及川徹にハマったときに形作られたものなのだが、リーガルドラマを見ているとそのポイントが刺激されて涙腺が緩んでしまう。
法は守るべきもの、それは当たり前のことだけど、でも条文にもやっぱり解釈というものはあり、だから私たちは解釈をして個別具体的事象に適用したりするし、法務のわたしは契約を作るときに解釈を捻じ曲げられないように諸々盛り込んだりもする。
そこにある慣習や当時の常識が法を作り、法は誰に与することなく公平な存在としてそこにあり、わたしたちは真っ直ぐにそれを見つめて不要な情報は削ぎ落として受け入れなければならない。いただきりりちゃんが昨今話題だが、彼女の刑罰も法に則った解釈をすれば無茶なことを言っているわけではないんだろうな。わたしは刑法の授業が一番好きだったのに刑法の成績が一番悪かった女。
リーガルドラマを見ていると、当たり前だけど法律に詳しい人たちがたくさん出てくる。その人たちは、自分たちがぶち当たる問題について「法の下ではこうなる」ということをよくわかっているのに、1%の可能性を諦められずに解釈の穴を探して奔走する。
いろんな有名判例があるが、わたしは違憲訴訟の判決が結構好きなものが多いかもしれない。違憲、と判断したやつ。裁判官の覚悟がよく見える気がして。エンタメとして消費されていいものじゃないとは重々承知しつつ、でもやっぱり覚悟の見える熱のこもった判決文ってグッとくるし。わたしたちを縛り、そして自由を与えてくれる法を現実的に見つめながらも、今のままではその先にある更なる自由と健全な社会は実現できないと判断して、理想を抱き、現行法規を違憲と判断する。アツい。
今週の朝ドラがねぇ、よかったんだよ……。という話を残しておきたかっただけなんだけど。こうなったらいいな……でもいまの現実じゃ到底難しい……を覆していくときの感動、感動? 感動っていうかなんだろうな…励まされるエネルギーみたいなもんってやっぱ一生好きだな〜〜と思った一週間であった。
追記
タイムリーで良き記事を読んだ