明らかな差

いなお
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漫画と小説、パッと見で目を引くのはどちらかと言われれば漫画に軍配が上がるだろう。私はそう思っている。

絵と文章を比べた時、やはり絵のほうが派手できらびやかで、そして何よりもわかりやすい。目を引く力も強い。対して文章はというとまず見た時のインパクトが薄く、どうしても時間をかけて読む必要が出てくる。

どちらかが劣っているとか優れているとかの話をしたいわけじゃない。ただ、昔、オフラインで一次創作のイベントに参加した時に言われたことがある。

「私文章読むの苦手だから、小説はちょっと……」というようなことを。

これについても文章を読めないことを責めたいわけじゃない。逆に、確かにそういうこともあるだろうなと思ったほどだ。

学生の頃、私は奇跡的に国語が得意な方だったが同級生には苦手な子だってよくいた。だからよく考えなくても、文章を読むのが苦手な人がいることは想像がつくはずだった。

けれど逆はどうだろうか、と思う。「私絵を見るのが苦手だから、漫画はちょっと……」というようなことを言っている人って、あまり見ない(私が知らないだけかもしれない)。漫画を忌避する人というくくりで見ればそれなりにいるだろうが「絵を見るのが苦手だから」という理由で漫画を避ける人というのはそんなにいないのではないだろうか?

かくいう私自身が、小説より漫画のほうが見やすいと感じることが多い。だからだろうとは思うのだけど、やはり小説という表現媒体でいわゆる「バズ」を狙うのはかなり難しいことだと感じる。そもそも、最初の1ページをまともに読んでもらうことすらも難しいような気さえする。

宣伝の頻度が少なすぎるとか、そもそもきちんと宣伝できていないとかそういう要因もあるかもしれない。でもやっぱり、小説でありながらパッと見で惹かれるようなものを作るのは難しいんじゃないかと思う。

@inainainao
まったりだったり鬱々だったり