日記やエッセイを書くのに向いていると聞いて、しずかなインターネットにやってきた。とりとめのない書き散らしをしたい気分だったので。
白湯がおいしい。パイタンじゃなくて、さゆのほう。大好きな焼酎のお湯割りよりも美味しくて、宅飲みでも狂ったように白湯ばかり呑んでいるわたしです。飲みすぎには気をつけます。
一年の振り返りなんてするたちじゃないけど、なんとなく考えていたら「今年は入力に関わることばっかりやっていたなあ」と思ったので、ハイライト的に並べてみることにした。
ここでいう「入力」とは、文字入力のこと。デジタルデータとしてのテキストを蓄積したり、その方法をより良くしようと考える一年だった。
今年打ち込んだ文字の数を覚えているか。無理だな。
キーボードを買った
今年のはじめに体を壊して、フルタイム出社の生活は無理だと悟り、在宅でなんかしたいと思うようになり、とりあえず環境の整備をしてみるところから始めた。
今まで数千円程度のパンタグラフ等の消耗品的キーボードしか使ったことがなく、最近になってHHKBなどの高級キーボードの存在を知るようになり、せめてメカニカルくらい触ってみたいなと思ったのもある。
いろいろ悩んでみたものの、結局一目惚れで「FILCO Majestouch MINILA-R Convertible」、静音赤軸を購入。
コンパクトな60%サイズ、矢印キーはファンクションのみという使い手を選びそうな子。ASAGIの色が気に入っちゃって、なにがなんでも使いこなしてやるという気持ちでポチった。
無線と有線が選べて、バッテリー非搭載の電池式という条件にも合致。ほんとはロープロファイルが欲しかったけど、かわいさに負けた。
超かわいい。今ではすっかりFn矢印キーにも慣れ、これなしでは生きられないかもしれない体になった。多分これが一番速いと思います。
癖つよだけどそんなところが好き。推せる。しかし後述の理由で、たとえ壊れたり後継が出てもリピはできないかもしれないと思う。
azooKeyにハマった
キーボード買うよりも前、なんなら去年の話なのだけど。
iOS向けのキーボードアプリ、「azooKey」にハマっている。あずきのアイコンがかわいい、個人開発の完全無料アプリ。
しかし侮れないカスタマイズ性をもち、ターンフリックなどの特殊な入力に拘らなければおそらく最強のキーボード。
こちらを導入してからというものの、わたしのiPad Airは画面を叩く筆記具になった。
いろいろすごい機能があるけど、一番は「カスタムタブ」機能。ゼロから好みのキーボードを作れるというブッ飛んだ機能で、これがメインと言っても過言ではない。
想定されている利用方法としては、よく使う定型文を登録しておく……みたいなところかもしれないんだけど、とにかく自由なのでなんでもできてしまう。他のユーザーにシェアもできる。すごい。
世界にはおなじみのQWERTY配列の他、Dvorak配列とか、日本語だったら親指シフトとかいろいろ有名な配列があるが、azooKeyのカスタムタブならそういう特殊な配列たちをほぼ完璧に再現できる。
でもさ、せっかく自由に作れるんだったらさ。自分が一番入力しやすい、自分なりの配列、つくるよねえ。
という感じで配列の沼へドボン。今もちょっとずつ手直しをしながら、自作の分離型キーボード配列を使って文字を書いている。この文章も、一部は自作配列を使って入力している。
より効率的な配置を追究しているさまざまな人たちの意見を参考にしつつ、自分に必要な機能や見栄えのよさに加えて、iPadの画面を叩くことも考慮しながら配列を育てている。これがと〜っても楽しい。
azooKeyは変換もかなり優秀なので、非常に助かる。もっとユーザーが増えたらいいな。最強配列バトルとかしたい(?)。
と、こうして「楽に入力できる配列」というものを知ってしまったがために、もうQWERTY配列に縋って生きるのは嫌だな……という気持ちが芽生えてしまった。
そうなると世に出回るほとんどのキーボードが買えなくなってしまう。自作……するしか……。あるいは無刻印のキーキャップなどを使いつつ、最適な配列を模索していくのもアリか。
夢はみるだけならタダ。いつか自分にとって最強のキーボードを手に入れたい。
SKKなる日本語入力システムに出会った
趣味の都合で日本語入力する機会が多い自覚はあるものの、今までパソコンではずっと「Google 日本語入力」を使っていた。
IME、そして日本語を入力するためのシステムには、特段の拘りがなかった。まともな変換ができればよし、変な不具合がなければよし。
だが、少し前から不満はあった。まともな変換ができねえ。何回も何回も「カツカレー」って入力してるのに度々「勝つ彼ー」が出てくる。誰だよ彼ー。
そんな風に振り回され、文章を書いていてイラつくことが増え、とうとう「なにか解決手段はないものか」とインターネットの大海原に出た。
すぐ見つかった。SKK、正式名称は「Simple Kana to Kanji conversion program」。
既に本家は開発が終了してしまっている。しかしOSSなので、WindowsやMacやAndroidなど様々な環境へ移植されている。ありがたいことこの上なし。
変換開始位置を自分で決めなければいけないというSKK最大の特徴には、慣れるのにそこそこ苦労した。自作配列よりも難しかった。
でも慣れてしまえば、なんというか、普通のIMEとほぼ変わらない。変な予測変換を入れてこない分、ノイズが減ってタイプミスも減った。イライラはすっかり消えた。
なによりも、変換候補がなくなったらそのまま単語登録に移行するのが良すぎ。全IMEの標準機能にしてほしい。
最初からいろんなひとの記事を読み、おすすめの設定などをもりもりに盛り込んだので、欠点と言われる「左手小指マッチョ問題」は特に気にならない。代わりに右手小指がマッチョになりつつある(セミコロンを変換開始のキーにしている)。
なんとなくホームポジションも矯正されたような気がしないでもない。気のせいかも。
風変わりなキーボード、標準と違うIME、iPadに至っては自作配列。ついでにスマホはターンフリック(アルテ日本語入力ユーザー)。
家族からは「もうあんたのパソコンもスマホもタブレットも誰ひとりとして使えない」と呆れられている。使わなくていいよ、スケベなものとか隠してるし。
なぜこんなに文字を入力しているのか
SNSが好きで、Mastodonが好きで、短文をどしどし書く人間ではあるのだけど。日々の日記(Obsidian)も短文タイムライン形式にしているし。
今年はそういう書き散らしではないものも、それなりに書いたと思う。普段に比べて。というか、久し振りに。
一次創作の小説を書いて、公開した。同じ世界観のシリーズで、2タイトルほど。合計して45万字ほどになった。
今年はこれが軸になっていた。病んで、創作意欲が湧いて、仕事やめて無職療養中で時間だけはあって、もう書くしかないなと。
片方はリビドーがそのまま形になったみたいな成人向けだけど、もう片方のやつは、今しか書けないと思って書いた。
死に損ない、価値なしの烙印を押された主人公が、自分がほんとうにやりたかったことを生業にしていくまでのお話。ついでにかわいいウミウシが出てくる。夏のころ、エピソードが浮かんだその勢いのまま、筆をとって書き始めた。
自分もこうありたい、そんな気持ちで書いた。珍しく主人公に感情移入して書いた。
勢いだけ書いてしまったので、今は細かいところが見ていられない状態。どうやって直そうかな。そのうち向き合えるようになるか。
そんな一年だった。もうちょっと、いろいろとやりたいことはあったのだけども。できなかったものは仕方ないか。
特に絵のほうはほぼ手が回らなくなってしまい、つくるはずだった絵文字もまったくできておらず、申し訳ない気持ちもある。全部気まぐれの趣味だから許されたい……。
文字を連ねる作業は好きだ。これなら永遠にやっていられるな、と思う。
ただ、拘りが強すぎて、書いている時間よりも道具をいじっている時間のほうが長そうなのは、どうにかしたいかも。でも環境をちょっと新しくするだけで、やる気が増してしまうのよね。
今日これを書こうと思ったきっかけも、先日SKKの設定を少し見直したことにある。変更点に触れるような文章ではなかったけど……(英/かな切り替え周りを変えただけ)。
結局、紙に向かってペンを走らせるより、文房具屋さんでペンや紙を選んでいるときのほうが楽しいのは、昔から変わっていないのだった。子どもの頃の自分そのまますぎて、人間って変わらないなあと思うなど。
あと一週間もすれば年の瀬。なんでこんなに早いんだろうとびっくりする。ついこの前まで暑さにやられていたのに、すっかり真冬だよ。イルミの季節じゃん。
寒いし、家族も体調が思わしくないため、今年の年末はおうちであたたかくして、ゆっくり過ごすつもり。白湯でも飲みながら。