デスクトップを彩るゲームたち

C/炭素
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公開:2025/6/29

最近、ゲームがほとんどできていない。モンハンもやりたいこといっぱいあるし、重い腰を上げて積みゲー消化に踏み切ったUndertaleも、まだ全然序盤。やっとサンズさんに会えたくらいのところ。

なんでこんなに時間がないんだ。いやまあ確かにキーボード買ったりしたし、自作配列の練習をすべくこうしてなんか書いたりはしているのだけど。AIたちの手を借りてメモ帳を作ってみたりしているのだけども。本を読んで勉強したりもしているのだけども。家族がちょっと大変だったりしてそれに付き添ったりしているのだけども……十分に理由があるな。そら忙しいわ。

今はゲームより優先したいことが増えている、ただそれだけのことである。だけどやっぱりこう、ゲームしたいなって思う瞬間は多々ある。がっつりとのめり込みたいわけでもなく、作業の合間にちょっとした息抜きになるような。そんなゲームに寄り添ってほしい。

そこでとあるジャンルの出番。この頃たくさんリリースされているデスクトップアクセサリ型の放置ゲームが、自分の需要にピッタリとマッチしている。作業をしながらでも、パソコンから離れていても、軽くゲームができる。画面も賑やかになるし、心地良いBGMなどで集中力のアップも見込める。好きな色やキャラクターを選んで自由にデザインするような要素があると、自分の過ごしやすいデスクトップを実現できてなお良い。

ちょうどSteamサマーセールもきていることだし、今回はわたしが作業のオトモとしているタイトルをいくつか紹介してみる。それぞれに評価をつけたりもするけど、あくまでも個人の見解として受け止めてほしい。

各評価項目は、わたしがこのジャンルのゲームにおいて重要視する項目群。【ゲーム性】は放置ゲームとして遊べるかどうか、【デザイン自由度】はデコレーションなどで見た目をいじる要素があるか、【放置度】はどのくらい放置できるか、【作業のオトモ度】は作業を支援する要素があるかで5段階評価とする。これらの評価は同ジャンル内における比較であり、他のジャンルについては考慮していないため注意。


Rusty's Retirement

この手の放置ゲームの先駆け的存在として有名になった農場シミュレーション。ちゃんと調べればもっと前から似たようなゲームはあったのかもしれないけど、ラスティのヒット以降様々な「ラスティライク」と呼ばれるゲームが発表されたので、火付け役だったのは間違いないと思う。

穏やかなBGMと落ち着いたピクセルアートの中、ラスティたちがせっせと農業をする姿を見守るゲーム。プレイヤーができるのは種まきと農場のデザインくらいで、あとのことは全て自動。種まきもゲーム序盤を抜けた頃には自動化でき、プレイヤーは指示を出すだけになる。あとはロボットの強化、作物の強化などをしつつ、のどかな農場の風景を眺めるのがメインとなる。

アートワークや世界観は、同じ作者による別のゲームと繋がりがある。ユニークでかわいいが、かわいすぎないためいろんなプレイヤー層にマッチする。とりあえずデスクトップアクセサリ型放置ゲームに手を出してみたい人にオススメ。

評価

【ゲーム性】 ★★★☆☆

最初こそ完全放置はできないものの、中盤以降プレイヤーは特にやることがない。いくつかのマップがあり特徴が異なるが、縛りプレイと言うにはゆるいため難しいこともない。効率を求めようと思うと結構いろいろ考えたりすることがあるかも。

【デザイン自由度】 ★★★★☆

デコレーションがあり、好きなように農場をデザインできる。マップも複数種類あり、画面下部と画面横の違いによっても色々な楽しみ方ができるが、結局どうしても似たり寄ったりにはなりがち。

【放置度】 ★★★★☆

ほとんど放置でOK。序盤の種まき、農場の整備拡張、デザイン、あとはキャラへの指示程度で済む。放っておくとまずいことになるシチュエーションもほぼないため、長時間の放置にも向いている。

【作業のオトモ度】 ★★★☆☆

急な呼び出しなどがなく作業を邪魔しないため、オトモにはぴったり。ただし画面上のそれなりな範囲を占領するため、ちょっと邪魔に感じることがあるかも。音楽などのサポートは控えめ。

Bongo Cat

ネットミームとして有名なBongo Catを元ネタとしたゲーム……というよりはカウンターツール。基本無料、アイテム課金あり。

キーボード入力やマウスクリックするたびに、ちいさなBongo Catがタスクバーをばしばしと叩く。叩いた回数がカウントされ、30分に1回1000ポイントを消費して宝箱を開ける。 宝箱からはBongo Catの着せ替えアイテムがもらえる。たくさん集めて自分好みに着せ替えよう。

集めたアイテムはSteam上のマーケットで他のユーザーと売買できる。レアリティの概念もあるため、レア度の高いアイテムは結構な額になっている。高レアアイテムはなかなかお目にかかれないため、コンプ欲を刺激されてしまうと危ないかもしれない……。

なお、初期の頃はミームとなったアートワークの原作者である@StrayRogue氏へのクレジットがなかったが、今はストアページにて明記されている。

評価

【ゲーム性】 ★☆☆☆☆

これはゲームなのか? 設定でコントローラーの入力も受け付けられるので、そういう意味ではゲームかもしれない(他のゲームをしててもカウントを稼げるという意味で)。コレクションゲームとしては、金で解決できてしまうためなんとも言い難い。

【デザイン自由度】 ★★★★☆

かわいいBongo Catを好きなように着飾れる。かわいい。アイテムも種類が豊富だが、なかなかレアアイテムが手に入らないため、初期からの自由度はそこまでないかも。続ける楽しみがあるとも言う。飾れる箇所はBongo Cat本体と帽子の2つ。

【放置度】 ★★☆☆☆

宝箱を開け、着せ替える以外にできることはないものの、なにもしていないとなにも進まない。なので厳密には放置ゲームというより、クリッカーゲームが近いかも。パソコンの前にいないときまで起動する必要はない。

【作業のオトモ度】 ★★★★☆

作業そのものをスコア化してくれるため、気をとられることもなく作業が捗る。ただしBGMやSEは一切ないため、そういった作業補助が必要な場合は別途用意する必要がある。

Cornerpond

画面下の隅っこの釣り堀で、ひたすら女の子が釣りをするのを眺めたり、応援したりする釣りゲーム。本編に引き継ぎ可能な体験版あり。日本語には非対応。

ぬるっと動くかわいいドット絵と、心地良いSEが特徴的。魚がヒットすると的をクリックするミニゲームが始まるが、竿のパワーが十分に強化されていれば放置していても釣れる。女の子ひとりでは釣れない大物がかかると、独特なSEが鳴りプレイヤーに知らせてくれるので加勢しよう。魚を売って稼いだお金でさらに強化したり、より良い餌を買ったり、女の子を着せ替えたりできる。

様々なロケーション、様々な魚、そして釣り上げるための様々な条件があるようで、運も絡むためコンプリートは相当時間がかかる部類である模様。わたしはまだちょっとしか遊べてないけど、高レアの低ランクを釣るのに地味に苦労させられている。進行もゆっくり気味なので、何百時間とかけて気長にやるゲームっぽい。

評価

【ゲーム性】 ★★★★★

ミニゲームはクリックだけだけど、超大物なときは結構がんばらないといけない。反応が遅れると普通に逃がしてしまう。シンプルながらわりとちゃんとゲームができる。コレクションゲームとしても長く楽しめる。

【デザイン自由度】 ★★☆☆☆

女の子の着せ替えはできるけど、メインコンテンツと言えるほど幅は広くない。釣った魚を水槽で飼うような機能などもないが、お気に入りにして売らずに保存しておくことはできる。

【放置度】 ★★★☆☆

インベントリがいっぱいになるか、エサが尽きるまでは一応放置できる。しかし完全に放置してしまうと、大物がかかったときは機会を逃すことになるので損失があるといえばある。ゲーム寄り故に、ある程度は構ってやる必要がある。

【作業のオトモ度】 ★★☆☆☆

画面の隅しか使わずサイズや位置も調整可能なため、見た目は邪魔になりにくい。ただし真剣な作業中に大物がかかって中断……ということがままあるため、集中を要するときはやめておいたほうが良さげ。作業は程々にしつつ、ポチポチできる暇つぶしが欲しいときに丁度いい。BGMはなし。

デスクトップ小動物牧場(Tiny Pasture)

タスクバーの上で様々な動物を育てる育成ゲーム。日本語タイトルに「小動物」とある通り、最初はウサギに始まりハムスターなども登場するが、後半にはアルパカやパンダがいるし、無料DLCを含めるとウシやヒツジもいる。何故かスライムやゾンビもいる。有料DLCでは海にもなる。

かわいいドット絵の動物たちが、タスクバー上をちょこまか駆け回ったり気ままに寝たりする姿は癒やし度が高い。ゲーム部分では、動物たちにご飯をあげたり排泄物の掃除をしたり交配させたりしつつ放置でコインを稼いでもらうという、シンプルな牧場ゲームになっている。とはいえ給餌、掃除、コイン回収の基本作業は自動化でき、完全放置が可能。

交配においては、後半になるとコインの収集効率を無限に上げられるため、ちょっとしたインクリメンタル的な沼となる。ガチャをぶん回し、虹動物を育てて、交配でより効率的な動物を生み出し、またガチャを回す。もはやなんのために何をやっているのかわからなくなってくる。でも気がついたら常に起動している、そんなゲーム。今回紹介する中で一番プレイ時間が長い。

評価

【ゲーム性】 ★★☆☆☆

ゲームというよりはだいぶデスクトップアクセサリ寄り。施設の強化が終わったら、ガチャを回して交配するしかやることはない。図鑑コンプも簡単な部類。見ていて癒やされる枠。自分で目標を決められるなら、お気に入りの動物をどこまでも成長させたり、溢れるほどたくさん集めたりという楽しみ方ができる。

【デザイン自由度】 ★★★☆☆

効率を追求すると稼ぎの良い動物で埋めるばかりになるが、ある程度の地盤を作ればそんなことしなくても金がひたすら余るようになるため、逆に好きな動物を自由に育てられる。デコレーションはそんなに多くない。なお、Steamワークショップに対応しているため、MODを使えば自由度は無限大となる。

【放置度】 ★★★★☆

施設さえ強化すれば基本作業が回り続けるため、放置したまま寝てしまっても延々とコインを稼げる。動物の成長にも時間がかかるので気長に置いておくことになる。施設が育ちきらない序盤のうちは動物の数とのバランスを考えないと、病気や飢餓を招くかもしれない。ガチャと繁殖に関しては手動となるが、虹が出るまで放置→繁殖のサイクルが隙間時間のリラックスに程よい。

【作業のオトモ度】 ★★★★☆

牧場のサイズを調整でき、ワンクリックでサッと隠すこともできるため、作業を邪魔しにくい。BGMのバリエーションに乏しかったりと、積極的に集中を助ける要素はあまりない。とはいえ放置のしやすさも相まって、グッと集中したい時にも気軽に起動しておける。

ロプカのゆったりとした島(Ropuka's Idle Island)

デスクトップ上に浮かぶ浮島で、カエルの「ロプカ」が延々と草を刈る様子を眺めるゲーム。……ゲーム?

一応ロプカの能力や草の強化といったやることはある。集めた草を使って草を刈る効率を上げていき、装飾やロプカの衣装と交換する。今回紹介するゲームの中でも、特に「リラックス」に特化していると思う。BGMは心地良く、環境音を流すこともできる。ゆったりと読書でもしながら眺めたいタイプのやつ。デスク上のおしゃれな雑貨というか。オフライン報酬があるっぽい。

森の中にいるような落ち着いたかわいらしさがあるため、ポップすぎるのが苦手な人には良いかも。

評価

【ゲーム性】 ★☆☆☆☆

ゲームと言えるほどやることはない。とはいえ実績解除を目的とするなら、結構のんびりと遊ぶことになりそう。

【デザイン自由度】 ★★★☆☆

浮島の木や草を変えたり、ロプカの着せ替えなどを楽しめる。バリエーションが山ほどあるわけではないが、それなりに雰囲気が変わるため気分転換はしやすい。

【放置度】 ★★★★★

ロプカは最初から自動で働き自動で休むため、プレイヤーがやることといったら強化と着せ替えのみ。いずれも差し迫るようなシーンはない。

【作業のオトモ度】 ★★★☆☆

島を好きなサイズ・位置に調整して置けるので、邪魔になりにくい。穏やかなBGMと環境音で集中しやすい、あるいはちょっと眠気を誘うかも。軽量だが3Dのゲームであるため、GPUに負荷がある。グラフィックや動画編集などの重たい作業時には注意したほうがいいかもしれない。

Desk Garden

クォータービューな箱庭的区画を好きなように画面に並べ、そこへ様々な植物を植えて育てるガーデニングゲーム。無料体験版あり、製品版への引き継ぎは不可。

ポップでかわいい、そしてどこか毒のあるデザインが何よりの魅力。アートワークを見て一目惚れした。種を撒いて育つのは植物だけではなく、猫やヒト型のキャラクターだったり、一つ目のなにかだったりとバリエーション豊か。ゲームというよりは、デスクトップをファンシーな世界観でかわいく飾れるツールという印象。

土地を買って種を撒き、育った植物を売ってコインを得て、また土地を買うのが基本のサイクル。植物をそのまま植えっぱなしにしておくとフラワーコインが貰えて、コイン効率や成長速度を上げるデコレーションガチャを回せる。なので放置しっぱなしでも旨味があり、気軽に置いておきたい枠となっている。ログボとオフライン進行がある。

現在セール中だが、サマーセールではなくリリース記念セール。そのため終了が7月2日となっている。セールじゃなくても激安だけど、より安く買いたい人は気をつけて。

評価

【ゲーム性】 ★★☆☆☆

上記の通りものすごくシンプルなサイクルで、ゲームらしさはあまりない。各植物はランダムにしか植えられず、レアリティや品質の概念もあるためコンプリートは結構時間がかかりそう。

【デザイン自由度】 ★★★★★

画面の好きなところに土地を置けるので、かなり自由度が高い。人や環境によって様々なガーデンがあることだろう。ついついレイアウトを見せびらかしたくなる。

【放置度】 ★★★★☆

放置しているだけだとコインは増えないが、フラワーコインがもらえるので完全に無駄ではない。土地のレベルが上がってくると植物の成長に結構な時間がかかるため、基本は放置となる。

【作業のオトモ度】 ★★★★☆

作業の邪魔にならないところに置けるとはいえ、効率を求めると結構な広範囲が埋め尽くされることになる。が、ワンクリックで隠せる機能があるので心配はいらない。BGMと環境音は落ち着きがありつつもやや明るめで、昼下がりに聴きたい感じ。

【番外】Spirit City:Lofi Sessions

日々の作業支援に特化したユーティリティゲーム。こちらはデスクトップアクセサリというより、多機能なライブ壁紙といった感じ。なので今回は番外として紹介。

自分好みに飾った部屋で、自分好みにクリエイトしたアバターが、かわいい生き物と過ごす姿を眺める。かわいい生き物ことスピリットたちは、様々な環境に応じてふと姿を現すので、作業しながら辛抱強く待つことになる。ゲームらしい要素といえばスピリットの収集くらいで、あとの要素はポモドーロタイマーやLo-FiなBGMと環境音、ToDoリストにハビットトラッカーにジャーナルといった作業補助ツールとなっている。

部屋やアバターを好きにデザインするゲームとしてもなかなか楽しい。放置すればするほど通貨がもらえるため、作業に打ち込むほどアイテムの収集が捗る。作業への集中を促すツールとして完成度が高い。

評価

【ゲーム性】 ★☆☆☆☆

前提からしてほぼゲームではない。目標はスピリット発見やお目当てのアイテムの購入であり、そのためには作業をするのが効率的。

【デザイン自由度】 ★★★★★

アプデを重ねてかなり幅が広がっている。アバターにおいては自分の分身を作ったり、推しを再現したりと結構遊べる。部屋は居心地の良さを演出するアイテムが多数。多様性にも配慮されている。

【放置度】 ★★★★☆

放置するしかないものの、作業の一環としては触ることになる。タイマーかけたりToDoリストチェックしたりとか。それ以外は放置でちょっとずつクレジットが貯まったりする。

【作業のオトモ度】 ★★★★★

そのためにあるのでそれはそう。


おわりに

まだちゃんと遊べていないものもあるけど、なかなか多様なタイトルが揃ったのではなかろうか。似たようなゲームだと思っていても、比べてみればそれぞれに特徴があり、やりたい作業や求める環境によってもどれがマッチするかは異なる。単純にコンプしたら次のゲームに乗り換える、ってやり方でもいいのだけどもね。わたしは複数を同時起動して共存させてる。

これらのゲームをほぼ常に起動しているお陰で、プレイ時間のカウントが止まらない。ゲームを起動してる時間だけならそこらのゲーマーより長くなってそう。流石に寝るときまで放置はしないけども。

余談。ChatGPTとこの手のゲームにジャンル名をつけるなら、という話をしていたら、ChatGPTから「アンビエントゲーミング」という提案があった。環境を作るゲームということか。なんとなくイメージにしっくりきたので、個人的に使っていきたいかも。