ついに確定申告を終わらせた。それはそれは長い道のりだった。大地を蹴り、風を鎮め、諍いを止め、ようやく訪れた平穏。快挙。偉業。もっと褒め称えられていい。地元に銅像が建ってもいい。おでこに「確定」って落書きされてもいい。
いやでも銅像も大げさだから、トロフィーをもらうのでどうか。トロフィーにつける、あのなんかヒラヒラした紅白のやつ。あれを、毎年確定申告するたびに1本ずつ増やそう。南からの風に吹かれ、存分にヒラヒラさせよう。季節はもう春だから。
そして森の動物たちと踊るんだ。今年の2月は暖かかったから冬眠から覚めるものも出てくるだろう。リスさんもクマさんもおいで。賑やかになるぞ。切り株に置いたトロフィーを囲んでお茶を飲もうじゃないか。あっはっは。
でも3月に入ったらめっちゃ締切があるんだ。冬眠したいな。
オードリーANNでお馴染み、放送作家・藤井青銅さんの『トークの教室』を読み終わった。
フリートークをしてと言われても、面白い出来事なんてそんなにないし、オチだってつかない。でも青銅さんはそれでいいという。面白い出来事なんて起きない。でも普段の生活の「心の動き」に注目すれば、いくらでも話すことはある。嬉しい悲しい楽しいムカつく。「自分がなに感じたか」は、その人だけのオリジナルのトークとなる。
『トークの教室』では実践として、3人の人物のトークを青銅さんがレッスンするコーナーもある。伝わるようにエピソードを削ぎ落としたり、フォーカスうする手さばきは、トークに限らずエッセイや日記を書いている人にも刺さりそう。
もうひとつ。青銅さんは「自分の話をする」ことを勧める。友人や相方の話とか、時事やニュースの話とかもいいけど、あなたの話が聞きたいと。
確かに自分の話ってなかなかする機会ない。
僕はインタビューや取材で話を聞く仕事が多いせいか、人が集まる場所でも聞き手に回りがちだったりする。インタビューだと「誰が話すか」のボールはちゃんとコントロールされるけど、普段の集まりではそんなことはなく、話し出そうとするとあっという間にボールを奪われて呆然とすることがままある。僕も話したいんですけど。
若い人たちに自分語りをするのも良くないし、同世代~上の世代になるとボールを奪われる。自分の話ってする機会ないなぁ。僕もラジオをするしかないのか。とりあえずこうして、しずかなインターネットにダラダラ書いていこう。