オーディブルって良いかも

井之ナカ
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普段はSNS(最近はもっぱらMisskeyとbluesky)と個人サイトにいるんだけど購読目的でせっかくアカウントを取ったのでゆるゆると何か書こうかなーという気持ち。

昔から読書は趣味のひとつで、高校生時代が一番本を読んでいた。学校から駅までの通学路に市立図書館があったのが大きいと思う。

当時はなんとなく読書録を小さな手帳につけていたことを考えると結構マメだったなあと思う。年間100冊とか読んでいたけど、授業中にこっそり机で隠して読んでいたりしたので大変不真面目な生徒だった。

因みに当時は『活字倶楽部』という読書好きの為の雑誌があって、私はその雑誌の愛読者だった。mixiはあったけれど今のようなSNSなんてまだ全く浸透していなかった時代、面白そうな本の情報を得るのは活字倶楽部からだった。おかげで本当に良い本にたくさん出会えたし、今まで読んだことの無かったジャンルにも大ハマりして感謝してもしきれない。特に北方謙三のブラディドールシリーズは活字倶楽部が無ければきっと今でも手に取っていないだろうと思う。社会現象になる前に新刊としてバトルロワイヤルを手に取り寝る間を惜しんでベッドの上で読んでいたのも懐かしい思い出だ。

そんな私も社会人になってからぱたりと本を読まなくなった。

朝は早いし、仕事を終えて帰宅してからは疲れて読書をする余裕も無い。更に通勤が自家用車であることが恐らく一番大きな理由だろうと思う。当たり前だが、運転している時間は本が読めないのだ。

そうしてあれだけ本を読んでいたというのに、社会人になってから二十年近く経ってすっかり読書という習慣が無くなってしまっていた。年に100冊読んでいたのに、今では1冊読了していれば良い方だ。

そんな私は最近になってオーディオブックを聞き始めた。

オーディオブックは本の朗読を聞くという読書体験だ。私はAmazonが行っているオーディブルの30日間無料体験という文字を見て何となく登録してみた。Xでのフォロワーが何人か、最近オーディブルを聞いていると呟いていたのを思い出したからだった。

ひとまず名作として知ってはいるものの実は読んだことの無い本をリストに入れてみた。それはアガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』だ。名作すぎて幾度もオマージュされていることもありだいたいのストーリーは知っているが本作をずっと読んでいなかったのだ。元々私が翻訳小説を読むのが苦手だったという点もある。

聞き始めは案の定、たくさんの登場人物の名前がなかなか覚えられない。カタカナの名前を覚えるのが苦手なのに登場人物が多い作品を選んだものだから、何度か「この人誰だっけ…」になったりした。しかし聞きやすい声とスピード、ドラマCDのように演出効果があるわけでは無く淡々と進む朗読に通勤時間の運転中に聞くのが日課となっていった。

そして衝撃のラストのあたりは気になって仕方が無くなり、運転中にだけ聞いていたオーディブルを家でも聞くようになっていた。

オーディブル…良いかもしれない…かなり良いかもしれない!

最初は朗読で面白いのか?と思っていたけれど1冊分を聞き終わってかなり満足していた。なんなら紙の本も読みたくなって久しぶりに本屋へ行って何冊か衝動買いした。

因みに今はちょっと気になってたけど手に取ったことの無かったシリーズをオーディブルで聞いている。昨日から4巻目に突入した。続きが気になる…。

オーディブルという形で読書習慣が戻ってきたのが結構楽しいので、暫くは続けていきたいなと思っている。

@inonaka
関係性のオタク。 字と絵を書きます。