無機物に意味を持たせること

戸ヶ谷新
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2021/11/24

今作画しているcure blood2話で、採草地のような場所を描くカットがあり、よく生えている草花を数個ピックアップして花言葉を検索した。花言葉があまりにもそのシーンの感情と離れていると良くないかなと思ったからだ。結果、どれもぴったりな花言葉ばかりでひとりテンションが上がった。

ススキは今回描いていないが、柔らかで儚げな見た目だが花言葉は「生命力」らしい。

柔らかな中の生命力やしなやかさが好きなので素敵だなと思った。

以前、柳を調べた時もさみしげな見た目だが根がしっかり張っていて生命力に富むとある。また、再会を願い旅立つ人へ枝を手折って餞にする文化があると知り良いなと思った。

話を作る上で何か調べている時、意図せずモチーフの持つ意味と作品内のテーマやキャラの感情が呼応することがある。

(本来、全て計算してはじめから組み込む方がスマートだが)

それが面白くて、たのしい。たくさん時間がある時じゃないと出来ないけど。

そういったモチーフの持つ意味や花言葉などは、人が無機物に意味を持たせたくて、生まれた物たちだと感じているので好きだ。人は感情を乗せられずにはいられないのだと思う。モノに感情を託したい不器用さも、情緒を楽しむ器用さも両面ある。

@inu_sachiare
TogayaArata|漫画家|Aro| 男性同士の恋愛と、恋愛ではない関係について描くのが好きです| 連絡先・商業情報→lit.link/inusachiare| 「夜のフライト」「CURE BLOOD」「2世と器」