ランニングをはじめたきっかけは、「アドレナリンが出ると、気分が落ち込まなくなるよ!」と、いつもあらゆる相談に乗ってもらっている友人に教わったからだった。実際、走っている間とその前後は、少し明るい気持ちになる。友人の教えの通り、肉体とホルモンと運動の効能、もあると思うけれど、ただそれ以前に、10年くらいまともな運動をしていなかった自分は、ちょっと走るだけでゼエゼエ言い出す。息が上がって、足が上がらん。そんな時に「おれはあの人に嫌われてしまったんやろうか」なんて考えている余裕がない。せいぜい考えられて、「あの看板、あの看板の下まで行ったらしばらく歩きで…」とか、「お腹、前よりかは揺れてないかも…?」とか、その程度のことだ。自分の肉体に向き合うということをあまりにもしてこなかったので、「運動が自分の肉体に影響を及ぼす」ということの解像度があまりにも低く、「腹が揺れてるか、揺れてへんか」くらいでしか変化を感じ取ることができない。なさけないけれど、“揺れてへん自分の腹”を10数年ぶりに見れるかもしれないことにはワクワクもしているので、この習慣は続く気がする。今日は前腹は揺れてたけれど、横っ腹は揺れてなかった気がするな。