移動することは楽しい。長野に引っ越してすぐの頃、人と会いたくて、話をしたくて仕事がなくてもしょっちゅう東京に行っていたとき(当時は飲み会が3つくっついただけで普通に2泊3日の東京旅行をしたりしていた。仕事が入ってない移動は旅行だ)、とはまた違った気持ちで移動しているような気もする。いまは長野にも気軽に飲みに誘ったり、バッタリ会えばおしゃべりできる相手が増えたと思う。もちろん、それでも満たされないおしゃべり、はあるとしても。回復のための移動ではなく、大阪の会社を辞める直前〜フリーランスになりたての頃のような「見たことのないシーンを見れたら」という気持ちが、少しずつ復活しているような気がする。そうだといいな。
写真は、長野から新潟へバスで移動する道中で見かけた、雪の降る遊園地。車窓から遠くに見える観覧車が目を引いて、焦ってスマホを向けた。これもまた、自分のなかには無かった風景だった。
元気に動き回っているはずが、時々、自分の根っこがとてもおとなしい人間であることを思い出す。道中で写真を撮って、「ああ、これは自分の心象風景みたいだ」と感じるのはなぜなんだろう。そのどれもが、後から見返すととても静かな風景ばかりだ。ぜんぜん、毎日お笑いを見たりラジオを聴いたり、人とお酒を飲んだりしてケラケラと笑いながら過ごしているのにな。