目を閉じて、まぶたの裏側から、太陽を透かして見る。すると、まぶたの裏側を赤やオレンジ色が、ステンドグラスのひかりみたいにうすく揺れながら彩り、降ろしたまぶたの向こうの太陽が、ぼんやり、ただまっすぐに、まぶたを通して瞳の奥を貫いてくる。このとき目に映る赤やオレンジ色は実際、まぶたを流れる血の色だけれど、更によくよくじっと見つめていると、赤やオレンジ以外の色もーたとえば薄紫や黄色っぽいみどり、藍色なんかもーちらちらゆらゆら浮かんだり、消えたり、くるくるまわったりするからきれいだ。エッセイShiori1997年生まれ。絵を描いたり言葉を書いたりしています。