潮が舞い子が舞い
海辺の田舎町に住む高校生達の青春群像コメディ。阿部共実先生ェ!
この漫画の魅力は、多感な時期の高校生たちが人に触れていく中で自分が認識せず少しずつ変わっていく、または変わりたいと思っていても変われない様を、何気ない日常をテーマに高い語彙力とセンスを持ったハイテンポな会話と無言の情景描写の高低差で醸し出していくところ。
この会話劇では数人の生徒(と周辺人物)がピックアップされ、彼らの思想や個性が鮮明に浴びれます。総勢60名ほどいるなかで、スポットライトが当たらないキャラクターがいない。一人一人が本当にその生を受けているようで、まさに人生いろいろ。飽きがこない、一生浴びていたい作品でした。
こういう人と人との関係性が変わっていく作品では二次創作まで追っかけて解釈一致と解釈違いを楽しみたいところなんですが、公式でキャラクターのディティールがあそこまで深いとなかなか拡大解釈までたどり着けない、余白があるようでない作品だなって思いました。また別の舞台やテーマで阿部共実先生の命を感じられるキャラクターを待っています。
こっちはちょっと濃いめ。でもすき。
ほどいて、むすんで
「髪を結う」をテーマにしたラブコメ。絶妙に現実世界では存在しない気がする清い関係性がそこにはある。最強フィクション。こういうので心を浄化してもいいじゃない。
少女歌劇☆レヴュースタァライト(の二次創作)
ミュージカル×アニメーション作品。舞台に立とうとする9人の少女たちがクソデカ感情を、レヴューという決闘で互いにぶつけ合い成長していく。レヴューってなに?って思うけどもう考えるな、感じろとしか言えない。そこに圧倒的なミュージカル演出と良作画、最強音響のフルパワーブーストで脳がばっちりキマってしまった。もともとミュージカル演出好きだったし。ひょっこりひょうたん島とか。劇場版はアニメ映画音響で度肝を抜かれた作品。この時ほど家に音響システムが欲しいと思ったことはない。ミュージカル演出と最強音響はもう味わえないのだけど、これによってブーストされたキャラクター同士の関係性を描いた二次創作を浴びて楽しんでいた。
特にバニラ芭蕉先生の描く舞台少女が好きだった。何喰ったらあんな頭の中の関係性を描けるんですか。後日談解釈を作品にできるの、創作者ってすごい。なにかしら貢献したい気持ちが芽生えたよ。
バニラ芭蕉先生が描くシャニマス2コマと脳直ノイズボックス
スタァライトから入ってシャニマスとオリジナル漫画も。オリジナルの脳直ノイズボックスのテンポの良い会話劇に埋め込まれたギミックは読了後に脳がすっきりできる体験。複数話で統合された世界観、人間関係など好きになる要素がありすぎる。一生読んでいたい。最近はぼっち・ざ・ろっくも供給がある。うれしい。
新刊よかったです。
ほかにもいろいろ
上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花 とか。全体的に人間関係や会話、細かい心理描写といった作品に惹かれているのかもしれない。まだ全然一部なのでまた書き留めたいね。