小洒落たカフェでコーヒーを飲むより
レトロな喫茶店でコーヒーを飲むほうが好きだ。
お家なんかでも、
おしゃれなマグカップより、昔ながらのコーヒーカップにあったかい飲み物を淹れたほうがなんだか美味しい感じがする。
そうやって一息つくときに思う。
ああ、僕はこの世界を飲んでいるんだな。
道理で美味しいはずだ。
子供の頃、
学校が休みのときに時々親に連れてってもらった喫茶店。
モーニングセットの分厚いトーストと、ゆで卵。
それに合わせたコーヒー。
幼い僕にはまだコーヒーの苦さがまだ苦手で、砂糖とミルクをたっぷり入れて飲んでいた記憶。
素朴な感じで、でもとても好きな瞬間だった。
あの頃の記憶がずっと残っている気がする。
あの頃の記憶が
あの頃の世界が
コーヒーカップに一緒に注がれている気がする。
あの頃の感覚は、きっと間違ってなかったよ。