家族を連れて島に行ってきた
祖父母が住んでいたところで
現在は母が住んでいる
法事の際には
ほとんど墓参りで終わってしまった為
ちゃんと訪れたのは
10年以上ぶりとなる
あの頃と違って
祖父も
祖母も
もういない
久々に訪れる祖父母の家を見て
いろんな思いを馳せる
祖父母の家は
島でも少し高い位置にあって
階段から覗く
港の風景が
とても好きだった
祖父も
この景色が大変お気に入りだったそうだ
祖父が体を悪くした時
病院のそばの施設に移ることとなった
その時は母もいたのだが
母には告げず
祖母にだけそっと
もう(ここを視るのは)最期かもしれん
と言ったのだという
その言葉は
どんな思いで
つぶやいたのだろう
もう大好きな景色を
見れなくなるかもしれない
どんな思いだったのだろう
人々にとって
見慣れた景色は
好きな景色もあるから
そう思えるのだ
もう見たくないと思うようなものであれば
それはいつか
見飽きた景色と
思うだろう
僕がもし
その時を迎えると
わかってしまった時
最後に見ておきたいと思う
見慣れた景色は
どんなものなんだろうか