最近,気がつけばただ時間を浪費するだけの一日を過ごしてしまうことが多い.タスクが山積しているという心理的な負荷によって,疲労と無気力に見舞われてしまう.一方でタスクに着手してしまえば思いの外集中して作業できたり,興味深い技術記事やソフトウェアを見つけて自分も何か作りたくなったりする.少し前までは卒論が受理された達成感もあり卒研で作ったソフトウェアをこのまま放置してしまおうかと思っていたのに,昨晩思い出したかのようにコーディングを再開した.日によって気分にムラがあるのは仕方ないし,何かを習得しようと手を動かしている時はダニングクルーガー曲線から逃れられないのだと思うのだけれど,数週間単位の虚無の時間を体験するのは健康にも良くないのでさすがに対策しないといけない.
モチベーションなんて不確実なものではなくて,もっと根源的な喜びの源泉,例えば知的好奇心を刺激し続けられれば良いのだろうと思うけれど,これがとても難しい.RSS リーダーで興味のある情報源の情報を継続的に取得するという手法があるが,これは長続きしなかった.原因の一つに本当に興味を持つ情報のみが流れてくるわけではないということがある.例えば Web アプリを開発している会社のブログのフィードにはフロントやインフラの記事も流れてくる.フロントやインフラの技術そのものに全く興味が無いわけではないが,自分の知識と記事で扱う知識の深さのミスマッチが起きていて読みづらい.これを繰り返したことで最終的には RSS リーダーを開くのが面倒になってしまった.他には SNS を眺めるというのもあるが,Twitter は技術以外の話題も多くて,たまに面白い話や記事が流れてくるものの総括的に見れば好奇心を刺激しているというよりは画面をスクロールするゾンビになっている感覚がある.Bluesky はエンジニアが多くて,feed というイケてる機能があるものの利用者が少ないのが難点.もっと流行ってもいいのに.
ちょっと考えていたら,雑談がわりと良い効果があるのかもしれないと思った.インプットもアウトプットもできて,聞き手と話し手の知識レベルを擦り合わせながら会話ができる.何より会話に参加するということは自分を傍観者ではなく当事者の立場に置くということで,そこではゾンビになる余地は無い.もちろん行き交う情報はまとまった正確な情報というわけにはいかないけれど,好奇心を刺激するのには最適かもしれない.
人が集まれば会話が生じる.そこには偶然の要素が多分に含まれているし,無駄も多い.しかし今思い返してみると登下校や休み時間での偶然で無駄などうでもいいような会話こそが技術的興味の熱源だったのかもしれない.そんなことを考えたりもします.