変わらずにあるもの

is_hoku
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幼稚園から中学まで空手を一緒にやっていた友達と飲みに行った。一人の友達は二年ぶりで久々の再開だった。店に入ると、入口のすぐそばの席に彼は座っていた。茶髪でセンターパートの髪にキリッとした顔、それに中学の頃は僕と同じだったはずの身長は今では 10cm も差をつけられていた。要するに、彼は随分と大学生らしくなっていた。なんだか彼が遠いところに行ってしまったように思えて、喜びと楽しさ、それと幾許かの寂しさが入り混じった感情でしばらく話を聞いていると、彼の言葉や行動の節々に昔のまま変わらない穏やかで安定した態度を見つけることができて、移ろいゆく時間とそれに伴って変わりゆく姿や思考の中にも、変わらずに存在するものもあるのだと安堵した。

僕はどこに向かっていて、どこに辿り着くのだろう。5年前から、着る服や好みの音楽は随分変わった。考え方や紡ぐ言葉も出会った人々に影響されて変遷してきた。それでも変わらない僕の確固たる自分はどこにあるのだろう。未だ見つけられないまま、帰り際に買った飲みかけのハイネケンを片手に帰路につく。