ソフトウェア帝国主義と殖民の卒論

is_hoku
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某高専情報工学科では卒業論文のテンプレートが docx ファイルで提供されており,フォントや行間,余白などのレイアウトがテンプレートに沿っていないものは受理されない.そのため MS Word の使用が必須だが,僕はあまり MS Word が好きではない.操作しようとしているレイアウトがどこのどの機能 (またはその組み合わせ) によって調整されているのか分かりづらいし,そもそも docx ファイルが MS Word でしか正しく読み書きできないということがある (docx ファイルは中間表現であって,最終的な出力は PDF など国際標準のファイルフォーマットが良いとさえ思う).これはつまり Microsoft にライセンス料を払わなければいけないということだけではなく,Windows (か Mac) の使用を強制されることと同義だ.あーあまたライセンス料が発生してしまった.

有償ソフトウェアのみが特段問題なのではなく,ソフトウェアによって環境が制限されるのが快適ではないし,制限された環境に適応するために特定のビッグテック経済圏に飲まれてしまうのはもっと悍ましい.ソフトウェアはオープンソースであるだけでなく,自由であってほしい.

こんなことを言っていても,僕だって AWS を使うし Pixel ユーザだから,これはただの理想論なんだけれど.こんな悠長なこと言っていられるのも,学生だからなのかもしれない.

そんなことを思いながら卒論のテンプレートを LaTeX で書いていたら,丸三日も時間が溶けてしまって,今は卒論の締切に終われている.これは自由ソフトウェアのためだったと自分に言い聞かせながら,文字を絞り出している.今日,2 月 9 日,卒論の進捗は未だ 4 ページ目である.