年始や年度始めは新しい年や環境に移行する段階にあって、外界の変化とともに自分も心機一転新しいことに挑戦したり目標を再確認したりして心が奮い立つもので、そこには純然たる情熱だけでは割り切れない焦燥感も多分に含まれている。そんな気持ちは、年末年始の空気や慣れない環境でのちょっとした非日常で最大化されるが、それ以降は目の前に展開される日常に振り回されていると緩やかに消えていってしまうもので遣る瀬ない。
今年も早かったなぁと毎年のように思うわけで、それは 2023 年も例外ではない。ただ例年と違うことといえば、日報という形で日々の活動や思考を記録してきたということだ。流れ行く時間とそれに伴う熱情の減退に抗うために、日々を記さなければいけない。脳の皺から溢れ落ちた情報をキーボードで受け止めて、それが新鮮なうちに画面上の文字に変換してしまわなければいけない。そういう意識で書き始めたが、今夏の猛暑でそういった切迫した感情は溶けてしまって、スクリーンに浮かぶ日報ページの日付が連続していないことに対する違和感を払拭するためだけに筆を執る日もあった。
思い返せば、瑣末なことに気を逸らされていたり、自分を見失いそうになったりした時に軌道を正すのが自分の文章であり、新たな刺激をもたらすのが他人の文章だった。文章の持つ効果は侮れないと思った 2023 年。2024 年も引き続き、文章による自分自身とのコミュニケーションをやっていきたいと思うばかりである。