2024/07/20

is_hoku
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花火大会に行った。不快感を覚えるような蒸し暑さが発汗を加速させ、それがまた不快感を増幅させたのだけど、しばらくしてそのような感情を忘れられたのは友人と来ていたからだ。一人で来ていたらこんなものも買っていなかったよな、と思いながらりんご飴を頬張る。誰かと時間や空間を共有するということは、自分を本来の自分の輪郭以上の場所へ拡張していくような営みなんだ、と妙に納得しながら空を眺めていると、空一面を覆うような花火が上がって、遅れて爆音が空気を震わせた。花火の残滓が煌めきながら散っていくのは何度観ても飽きないもので、その圧倒的な美しさが、今年の夏は楽しくなりそうだという楽観的な予測を生じさせた。夏が始まった。