アイドルが好きだ。女性アイドルも男性アイドルも好きだ。アイドルがキラキラしているのが好きだ。舞台上で輝いているのが好きだ。圧倒的なパフォーマンスを見せられるのも好きだ。アイドルは常にキラキラしていて、その輝きを見るのが好きだ。だからこそ、その光で自分の人生を眩ませちゃいけない。自分の道を照らす光にするのはいいけれど、自分の道が見えなくなるほど光にのめり込んではいけない。アイドルの光を自分の光だと思い込むのもいけない。アイドルは輝いている。でもそれは私のために輝いているわけではない。その光は私の光ではない。それを区別しなきゃいけない。そう気がつくのに10年以上かかった。28歳の、転職もままならない帰り道に、ようやく気がついた。アイドルは私のためじゃなくて、アイドル自身が輝きに満ちているから輝いているだけだ。その光は美しいから、だから自分の目を眩ませてはいけない。その光を少し遠くから見て、今日も輝いているなとその輝きを嬉しく思うくらいに留めておくのがちょうどいい。