私の大好きなKPOPアイドルグループ、SEVENTEENが発表したアンコンの件で荒れている。それはもう、めちゃくちゃ荒れている。その荒れようを見て、私は悲しい。
一番悲しいのは、きっとCARATが喜んでくれるだろう!と思って情報解禁を楽しみにしていたであろうメンバーの期待とは真逆の光景が広がってしまっていることだ。「日本ばかり優遇されている」「韓国を大切にしてくれていない」という印象を受けるアンコンの日取りを受けて、さまざまな国のCARATが相手の髪を掴んで怒りのままに罵声を浴びせている。お世辞にも綺麗とは言えない光景。
SEVENTEENは、13人は、国でCARATを区別することがあまりないと思っている。そりゃあ、長年コンサートできなかった母国のコンサートで見るからにニコニコだったり、デビューしている国ではその国の歌を定期的に作ってくれたりはする。けれど、どの国に公演しに行ってもその国の言葉を話してくれようとする。その国なりの楽しみ方をしようと試みてくれる。SEVENTEENは、いろんな国のCARATに分け隔てなく接するという、答えのない問いに丁寧に向き合ってくれているグループだと思う。そんな彼らに、住んでいる地域で区別し、レッテルを貼り、罵り合うCARATの姿を見せたくはなかった。国境を超えて「SEVENTEENが好き」という共通点ひとつで理解し合えるCARATの関係性は素晴らしいものだと思う。彼らもきっと、CARATを誇らしく感じてくれる瞬間があったと信じている。だからこそ、「韓国でもう一度FOLLOWをしてくれる」「一握りのアーティストしか公演できないスタジアムで公演ができる」という嬉しいニュースを全員で喜びたかったのに、そうではない現実になってしまったことが悲しい。
もうひとつ悲しいのは、私自身が、メンバーが普段から尽くしてくれている言葉を愛をもって受け止められないCARATがこんなにも多いのか、と落胆してしまったことだ。
2019年のコンサートで、クプスさんは言った。「公演が始まる前に一番後ろの席に行った。僕たちのことがよく見えるかなって。そしたら、あまりよく見えないんです。でもCARATには申し訳ないけれど、僕らはもっと大きいところに行きたいと思っています。小さくしか見えなくなっても着いてきてくれますか?」と。現実を理解し、抑えきれない野心があり、それでもCARATを大切にする覚悟がある人の言葉だと思った。そんな覚悟を持って上を目指すグループが本当にかっこよくて、着いていきたいと思った。私がCARATになる前の話だけれど、この話を知ったからCARATになる覚悟が決まったぐらい大事なエピソードだ。
当時も人気があったSEVENTEENはさらに人気が出て、今やKPOPを代表するトップ人気グループのひとつになった。私がCARATになって2年以上彼らを追いかけて実感したのは、13人いたってできることには限りがあるということだ。体はひとつ、1日は24時間、体力には限界がある、無理をすればガタが来る、そんな当たり前のことを毎日のように感じている。
アイドルオタクはみんな口を揃えて「アイドルは人間だ」と言う。心から理解している人もいれば、理解しているふりをしているだけの人もいる。「ちょっとは休んで!でもゴセは撮って!私たちの国でコンサートはして!」本当に理解しているならそんな言葉は出てこないよね、という言葉を平気で吐く人がいる。彼らを人として尊重せず、自分の求める通りの供給を受けることを当然のように思う人たちがいる。そういう人たちがいるのは、知っている。ただ、こんなにも多いとは思っていなくて、しんどくなっている。
忙しいから理解してねという言葉を、ここ数ヶ月だけでもウィラでたくさん聞いた。みんな見てる?切り抜きじゃなくて、彼らが時間を割いてCARATに会いにきてくれている配信、ちゃんと見てる?コンサートやペンミのMCで、よく見えない遠い席のCARATに感謝して気遣ってくれている姿、見たことない?私たちはお互いにCARATなのに、本当に同じグループを見てきた?
成功したKPOPグループなんてほんの一握り。SEVENTEENは今、定石のない未来を頑張って歩いてくれようとしているグループだ。そんな彼らに着いていくにあたって、こんなくだらない争いをしている暇はないよ。
まあ正直今は、聡い人ほどSNSで黙っているタイミングだと思う。攻撃的なCARATに「てかうちら悪くなくない?」って開き直って攻撃的な言葉を発している人や、他所を憐れむならスタジアム応募するなと謎理論を繰り広げている公開アカウントは軒並みブロックした。私の人生に出会わなくてもいいCARATだから。
メンバーが傷ついていなければいいな。醜いファンダムに絶望していないといいな、なんて、難易度の高い祈りを捧げることしかできないよ、今は。