2023年は転職や第二子が誕生したり、自分の人生にとって大きな起点となるイベントがたくさんあった。限られた可処分時間に対して、どうやってエンジニアとして変化点につなげるのか、なかなか難しいと思いつつも充実した一年だったかな、と感じている。
毎年の振り返りは日々の成長や来年度の目標に対するベースラインとなるので、今年やってきたことを簡単に振り返ってみたい。
SI企業から事業会社への転職
今年は11年勤めたNRIを退職し、衛星開発を手掛けるスタートアップ企業にジョイン。あえてその時は退職エントリを公開しなかったものの、転職に至った背景はいくつかある。
一つはグローバルを意識した活動。ありがたいことに、2022年はAWS AmbassadorやAWS Heroなど、グローバルレベルでの認定・活動に携わったこともあり、様々な国で活躍するエンジニアと交流する機会が多かった。その分、言語の壁に悩まされることも多く、成長の機会を多く逃していることも感じる年だった。言語習得は容易なことではないが、漸近的な学習を通して得られる果実のほうが絶対に多いだろうと感じ、思い切って英語がメインの業務環境に飛び込みたかった。
二つ目はさらなる好奇心の獲得。高いパフォーマンスでエンジニアとしてのスキルを発揮して事業貢献するために、僕自身これまで好奇心に助けられることがとても多かった。事実、技術に関しては好奇心が尽きないので、暇さえあれば勝手に技術に触れているが、SIという事業形態にどこか本気に向き合えなくなっている自分がいた。そこで改めて今までの人生を振り返ってみると、小さい頃から宇宙に関連したトピックはいつも自分を惹きつけていた。事業ドメインと技術の両面でモチベートされる環境はとても魅力的だった。
三つ目は実体験に基づく世の中への貢献。2018年9月に発生した北海道胆振東部地震で僕の祖母宅が被災した。幸いにも祖母は無事だったが、身近な人に対して間接的ながらも一助を担いたい、という思いがその当時から強くなっていった。現職先は、衛星から得られた画像をもとに災害状況の把握や避難に必要な情報提供につながるソリューション開発も行っている。その会社に所属してエンジニアリングに携わる事自体が社会への意義につながると考えた。
以上が簡単な転職の理由。家族の理解と自分が「これだ」と感じた会社のジョブ枠公開タイミング、同僚に恵まれたこともあり、無事転職を終え、7ヶ月過ごすことができた。
転職に際し、前職に対してネガティブな要素はないといえば嘘になる。一方、プロジェクトを通じた多様な経験や意思決定と胆力、優秀な同僚、社会で働く上でベースラインとなりうるスキルセットは前職のおかげだし、少なくとも11年間働いてきたという意味では、胸を張ってNRIはよい会社だと言える。
インプット活動
今年は転職したこともあり、宇宙事業ドメインや語学、利用技術(Google Cloud)など、前向きにあたらしいことを吸収したい欲求が爆発した年だった。
特に今年は読書から得たことも多い。約30冊ぐらいは読破して、宇宙事業、語学、思想、技術など様々な方面で知見を獲得できたんじゃないかなと思う。落合陽一さん著書の「忘れる読書」にも言及されていたが、持続可能な教養を身につけ、自分の熱を高めるために読書は重要であり、今後も読書はインプットの中心軸においておきたい。
また、前職・現職にはとても多様で優秀なエンジニアも多い。活発なコミュニケーションを通して毎日気づきや刺激を受けているし、それ自体が良質なインプットだと感じている。優秀なエンジニアの存在は最高の福利厚生だと思う。
アウトプット活動
あたらしい職場でリズムを築くために奮闘していたこともあり、アウトプット活動は自体は少し控えめな年になった。ただ、Cloud Native Days Tokyo 2023への登壇含め、あたらしいコミュニティの場に現職の文脈で魅力を伝えられたことは自分の自信に繋がった。
その他、AWS Heroの人たちとre:Invent 2023期間中にre:Capを実施したり、ラスベガスから帰国した当日にX上のSpaceでPodcast風に振り返ったり、と仲間と一緒にあたらしい取り組みも実施できた。量より質の側面でとても充実した一年だったな、と感じている。
2024年はどう過ごすか
なんだかんだで毎年あたらしいアウトプットにチャレンジすることは、強制的に自分を磨き、アップデートしていく前提条件として大切だと思う。
切磋琢磨できる仲間存在は競争心を生み出し、自分の成長を加速させるきっかけを与えてくれる。一方、ロール、環境、なりたい絵姿、解決したい課題は、人それぞれだし、僕自身、桜梅桃李な精神で努力を継続するのほうが大切だと思う。
とはいえ、割りとミーハーな性格ということもあり、いろんなものに手を出して、長く続けることが出来なかった年だったかなぁ、と感じたり。あたらしいことへのチャレンジはもちろん重要。ただ、最終的に自分なりたい絵姿・実現したいことに対して、ブレない軸を持ち、継続的に取り組む姿勢も重要だと感じている。4年前からマンダラートで自分の軸を見つめ直す活動をしているが、2024年は改めて軸を見つめ直して、"継続的に基礎を磨く活動"に注力したい。
以上、2023年の振り返りと来年度に向けてをつらつらと書いてみた。
こういった活動が出来ているのは、家族や同僚、各コミュニティの人たちのおかげなので、来年は恩返しの精神でなにかチャレンジしていようとしている人をサポートしたり一緒に並走していきたいと思う。