緊急入院の翌日。病室の窓から見える一つ上の階のベランダにふと目をやると、男性が腕に猛禽類を乗せ、空に放っていた。え? 鷹匠? 最悪の体調が落ち着いてきたばかりだったので、素早くスマホで撮影することもできず、すぐいなくなってしまったが、確かに猛禽類だった。ここは病院だぞ。患者や病院関係者がすることではない。看護師に聞いてみると、鳥の糞害対策で業者に頼んで定期的に周囲を旋回させているという。そういえば前回入院時、自室のベランダで鳩が長らく止まって休んでいたな。病院のベランダが糞だらけでは不衛生というわけか。猛禽類がこんな使われ方をしているとは知らなかった。