雑用も含めた義務的な仕事と、興味を持って取り組める仕事と2種類がある。後者の取材先として今考えているのが、シジュウカラの鳴き声の意味を解明し東大に新設された動物言語学研究室を率いる鈴木俊貴氏だ。たまにバードウォッチングをする鳥好きの私は、ヒトが言葉を使ってコミュニケーション能力を進化させてきたという生物学的事実にも関心があり、二重の意味で私のテーマだし、担当する子どもニュースのネタとしても行ける格好のネタだろう。機会を見てと思っていたところ、同じ班の先輩シニア嘱託がこれをやってはどうかと薦めてきた。「先のことは分からないけれど」と前置きしながらの提案に、雑用は気にせず好きなことをやってもらいたいという配慮と、それくらいはやってもらわないと職場が回らないという深刻な人手不足の両方を感じ取る。先輩は人を使うのがうまい。「じゃ資料買って帰ります」と本屋へ。鈴木氏がゴリラ研究者の山極寿一氏と対談した「動物たちは何をしゃべっているか」と、シジュウカラの言葉をモチーフにした絵本「にんじゃシジュウカラのすけ」(鈴木氏監修)を入手した。まずはあす在宅勤務にして読むことにしよう。