労働所感

I2K文庫
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工事現場で働いていたとき、そこで働く人たちにとって労働とは生活のためのものであると感じた。それが今オフィスに戻ってみるとどうだろう、労働が生活を蝕んでいるようなふうに感じる。

工事現場で働いていたとき、職業に貴賤はなく、人に上下はなく、ただそこにあるのは役割分担と、そして異なる給与体系だけ、と感じた。オフィスに戻ってみると、職業に貴賤はないものの、なんとなくぼんやりとした上下があり、それが役割分担としては大して機能しておらず、がんばってもがんばらなくても特に何も変わらない給与体系があるように思える。

今ここには、脳みそに納まりきらない未決定事項とタスクがあり、それをフルスロットルで回しているとあちこちに衝突する。思いやりのあるテキストコミュニケーションがしたいけれど、そこに頭を使う時間が削ぎ取られていく。あらゆることが後手後手にまわると、無理をした自分が、さらに他人に無理を要求することとなり、無理が無理を呼ぶ。仕事をしていて、他人にやさしくいられない自分が、自分にもやさしくいられない自分を生み、やさぐれてしまう。もっと大柄(おおへい)だったらよかったのだろうなあ。会社はブルドーザーみたいな人が上手に生きられるように設計されている。

@itk
懲りずに日記 体裁を整えることより大事なことがある