お金にならない人間関係

I2K文庫
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恋愛も結婚も、市場(マーケット)だと感じる。資本主義が「人間関係は金になる」と嗅ぎつけて擦り寄ってきている。わたしはマッチングアプリに親しみがないけれど、人々は新しい人間関係を求めてお金を払う/もしくは広告を見つめる(ことを強要される)ことによってお金を生むのだろう。どうやら本当に人間関係はお金になるらしい。

マッチングアプリで出会って結婚した、等の友人も珍しくなくなり、それに対しては本当に何も思わないのだけれど、彼らは、人と出会うための手段としてマッチングアプリを選んだんだな、という事実を事実として、感じる。他意なく。「選んだ」というところが肝である。「人と出会う」ことに能動性を発揮している。おお、能動的...!と、思う。これまた、他意なく。

能動的に駆動した人間関係、というのはマッチングアプリ以外にももちろんあるのだけど、そうした人間関係は概して結論やゴールが求められるような気がして、その全般がわたしには向いていない。「告白」という明確なスタートを嫌い、「YES」「NO」という応答を嫌い、関係性に名前をつけることを嫌うわたしには、とても相性がわるい。

能動的でもなく、名前のつかない関係性を、わたしは大事にしたいけれど、どうもそれはお金の匂いがしないみたいで、資本主義は背中を押してくれない。欲しいものがお金で買えれば簡単だけど。だけどそれでは手に入らないものもあるらしいので、お金を生まない人間関係を、わたしはもっと大事にしたいなあ。

@itk
懲りずに日記 体裁を整えることより大事なことがある