2023年の振り返りと2024年の抱負

itohiro
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2023年が終わるので、振り返りをまとめてみる。

毎年あまりその一年の振り返り記事は書かないけど、来年以降はもっと書きながら思考を深めて整理していきたいなーということで、界隈で話題になっていたサービス「しずかなインターネット」を使って書き綴ろうと思う。

総括

2023年はいろんなことがあった。昨年末に思い描いていた通りに進んだ1年ではなかったが、多くの方々に支えていただきながら走り抜けることができた1年間だったと思う。

WE UP社を創業してからの2年間は自己資金だけで事業を進めてきたが、昨年末に初の外部からの資金調達を行った。また、2月には正式リリースしたばかりのプロダクトを3月にはピボットして、閉じるという判断を行った。

決断の背景はすべてこちらにまとめていただいている。

プロダクトを利用いただいていた企業様には謝罪に行ったし、我々都合の決定で振り回してしまったことは本当に申し訳なさを感じた。期待に答えれなかった部分は次の事業の価値で返していきたい。

会社としてはフルタイム8名のチームになった。一般的なスタートアップよりはリソースが十分ある状態だが、ピボット後に会社としての方向性が定まりきらない時期や、次の事業の価値探索の時期があったことから、会社としてのランウェイを伸ばすための受託開発と新規事業開発のそれぞれにチームを流動的に動かしながら会社を経営した。

この意思決定をすることで、チームが崩壊することも覚悟した。しかし、全員がついてきてくれ、この年末を迎えることができた。一人ひとりが自走し、自分のできることを拡張しながら、チームとしての内省を繰り返し間違いなく1年前より強くなることができた1年だったと感じている。この点は本当にみんなに感謝の気持ちでいっぱいである。

株主の皆さんにも多くの点でサポートしてもらった。壁打ちに乗っていただいたり、ランウェイを伸ばすための受託案件の機会をいただいたり、色んな方々の力をお借りして乗り越えることができた1年だった。していただいたことは忘れないし、来年はさらなる成長、成果で返していきたい。

よかったこと・学び

Value Propの探索、深掘りをチーム全体で遂行できた

「誰の」「どの課題を」「どの用に解決するのか」「その課題は今どのような手段で解かれていて」「我々が作るサービスは既存のものと何が異なるのか」=(Value proposition) を、チーム全体で走り抜けながら探索することができた。この経験は間違いなく会社としての資産になるし、このプロセスを創業者のみならず、チーム全体で遂行できたことがとてもよかったと思う。どのような順序で課題を探索し、PoC先をどの用に獲得し、どのようにMVPに落とし込んでいくのか。このような事業開発のケーパビリティを会社の見えない資産として保有できたことは今年一番の資産だと思う。

その結果、これまで見えていなかった深い課題が見えてきているし、来年は大きな挑戦ができると確信している。

PoC獲得プロセスの型を作ることができた

会社としてのリソースも資金もないスタートアップが、どのようにして他の企業を巻き込んで、事業を伸ばしていくのか。よく分かっていなかった部分が、自身で進めていく中でこれまで以上に分かるようになっていった。結果的に、私たちのビジョンに共感し、協力頂ける会社が複数社以上生まれ、自分たちの事業の仮説検証のスピードが上がっていった。事業を進めていく中で、このような原体験を積み上げていけたことはとてもよかったと思う。

学びを獲得するスピードへの意識が変わった

時間とお金が限られているスタートアップは、とにかく早いスピードで仮説を事実に変えていく必要がある。この意識を会社全体で一人ひとりが強く持つことができた1年間だったと思う。自分たちが今何を分かっていて、何を分かってないのかをIssue Treeで明らかにしながら、昨日より今日、今日より明日と、事実を積み上げていくことを進めた。

これも今年の序盤にDCM Atlasに参加してから変わった部分であり、自分たちの意識や視座を変えていく上で、とてもいい時間だった。(個人的にはとてもきつい時間だったが、間違いなく成長することができた)

反省・もっとできたこと

コスト感覚について

プロダクトのピボット後に、自分の会社としてのお金の使い方を見直すことがあった。会社として変な使い方をしているというよりは、実は想像以上に支払い過ぎている部分を外部株主から指摘されることがあった。無意識ではあったが前職時代のメガベンチャーのコスト感を知らず知らずで引き継いでしまい、財布の紐がゆるくなってしまっている自分がいたことを反省した。コストを抑えて、仮説検証の時期を1ヶ月でも多く伸ばすこと。それが創業初期のスタートアップには何よりも大事な考え方である。その後、社内に資金繰りやランウェイをオープンにするようにした。なぜ公開するのか?の目的とセットで会社がどういう状況で、そのためにどのような手を打とうとしているのかを今も継続して伝えるようにしている。振り返ってもこの動きを早い段階でできたのはとても良かったと思う。

目的思考について

新規事業を作る中で、その会社でPoCをすることの目的が曖昧なPoC先を獲得してしまい、総じて時間をロスすることがあった。何度も言うように、お金と時間が限られているスタートアップにとって、「何のために」を問い続けることで、無駄なものを作らなかったり、無駄なコミュニケーションの時間を減らせたりする。少しの意思決定の誤りで命取りになる中で、何を目的としてその決定をするのか?を問うてくれる目的おじさんがWE UP社内いた。彼の存在はとても大きく、何のためにこれをやるのか?を2023年の序盤よりもみんなが意識できるようになったと思う。(ありがとう目的おじさん)

会社のビジョンについて

事業をピボットした時に、自分が何をしたいのかわからなくなった。しかし、自分自身が深く考える時間を作る中で、「我々がどこを目指していて」「それを実現するためにどんなパーツが必要で」「そのパーツのどこの部分を今作ろうとしており」「そのためにまずは誰の課題をどのような方法で解決するのか」を言語化できるようになった。正直会社のビジョンについては、理想を掲げる以上にまずは事業の種を見つけることが大事だと思うが、ビジョンを語ることで、君たち面白いね!と言ってくれる仲間や株主や取引先にアプローチできるものになる。今年はこのビジョンをクリアにすることができたが、ビジョンを磨き込んでいくことに終わりはないので、来年以降も更に会社として何を成したいのか、どういう世界を作っていきたいのかは、考える時間を意識的に作っていきたい。

2024年の抱負

2023年は苦しいこともあったが、個人としてもチームとしても確実に強くなることができた一年だったと思う。来年は今年の経験を活かして、より花開く一年にしていきたい。

今年は大変お世話になりました。来年もよろしくお願いします。

チームのみんなと

@itohiro
itohiroです。