時代の狭間で

izumiyama
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今朝も新御徒町を歩いて職場に向かう。朝のこの街は、まだ誰も動き出していない。古い店のシャッターは閉まり、路地は静かだ。こうして見ると、新御徒町はどこか退屈で、時間が止まったような場所に思える。

そして、その中にそびえるのが、僕の職場である「住友不動産上野御徒町ビル」。新御徒町にあるにも関わらず、名前は上野御徒町。どうやら、この街の名前では住友不動産の求める賃料を得るには不十分だと考えたらしい。ビルの新しさと、周囲の古さとの対比は、まるで時代のズレを感じさせる。新しいビルが古い街並みに突如現れたような、そんな違和感がある。

この街を歩いていると、新しいものと古いものの共存が際立つ。新御徒町は、特別な感情を抱くほどの魅力はないが、悪い印象もない。ただ、毎日通る場所としての慣れ親しみはある。

日が昇り、街が活動を始めると、新御徒町はまたいつもの顔を見せる。新旧が入り混じるこの街で、僕はまた一日を過ごす。変わらない日常の中で、新御徒町はただ静かに時を刻んでいく。