しるべちゃんがこの部屋にきたから、どうしたら良いかしらと思っているの。ねえ、その、今までは、ヨッシーの部屋だったでしょう。
ヨッシーの部屋だったなら、以前なら埃の掃除に入ったり、空気の入れ替えをしたわけで、しるべちゃんは今も私たちに鍵を持たせてくれているわね。でもいつだって出入りしてという意味じゃないことくらいは、あたしにだって分かるのよ。
私は咽に涙詰まらせる苦しさで、それを読んだ。
私は二十四歳成人女性、それも社会的ではなく恰好のつかない分類で、それでも二十四年成人女性にっては、祖母と鉢合わせにならないようにしたい場合もある。友人たちと酒宴をしているとか、どちらかがどちらかに片想いである異性をこの部屋に入れる夜半とか。
冷静に物事を考えると胸が潰れるほかなかったので、私は声を絞り出した。
「今からくる? お菓子もあるの」
アアナたんや萌日菜ママの、洗濯掃除、家事への采配は素晴らしい。
私はこの部屋──ヨッシーズルーム──を清潔に保つことになれてはいない。
ふたりぶん寝そべっていた蒲団を、ほうほうの体で畳み、部屋の隅に積み曲げた。二名で眠っていた場所だったのだと今日悟られるのは嫌だった。
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という、いつ書いたか分からないメモが、先日Macに残されていた。眠っているあいだに打ったんだと思います。まるで『永遠も半ばを過ぎて』のような、ペイシェンスワースみたいな話ですが、眠っているあいだにと云いましたが、導眠剤をのんで記憶にないあいだに書いたようなので、本当に、『永遠も半ばを過ぎて』です。映画版(『Lie Lie Lie 』また観たい。VHSしか無いのか)
私という人間は、ラリっていると「しるべちゃん」とか「ヨッシー」などと登場人物の名前を書いてしまうのか。そうか。素面だったら絶対にヨッシーとか書かないんですが。「しるべちゃん」も脳内初登場だし。私は無意識に名前を書いてみたら「しるべちゃん」なんて云い出すのか。そうか。
そうなのか……。
そうか……。