働いてた時の話

病院勤務の時代、色々考える事が多くて、ある日布団から起き上がれなくなってしまった。いや、予兆はかなりあったのだが、昔からサボり癖があるのでそれだろうと高をくくっていた。今日だけ休めば明日は行ける、を繰り返して、なんだかいろんな人に迷惑をかけた気がする。かけた。

ままならないとか、嫌だなとか、どうしてここはこうならないんだろうとか、廊下が薄暗いことや、以前は在ったのに今はないことや、色んなことを不満に思っていた。とにかく理想と現実があまりにも乖離しすぎていたのだ。

なんとなくその時のままならなさや、加えて自分の不遜さだとか無力感みたいなものがふいに頭の中に鮮明に映し出されて、とにもかくにもこんな人間は生きてちゃいけないという考えに支配される。そういうことを繰り返している。

医療従事者はやりがいのある仕事だ。患者の暴力もセクハラもあるし、それを「上手くいなせる様にならないと」とアドバイスする上司もいるし普通にパワハラもサービス残業もある。 

でもそんなことより脳みそについて勉強するのが本当に楽しかったのだ。学生の頃分からなかったことが、実体験をもって身に付くことの喜び。 あと普通に患者さんのことが好きだった。だから多分こうなった。

理想だけを膨らませて、一生追いつけないそれを追い続けるのはしんどい。だから、なるべく身の丈に合ったものを選んでいきたい。出来るかどうかは置いておいて、そう心に留めておくのも大事かも。