小川哲さんが宇多田ヒカルさんと対談をしていて、わりと話題になっていた。
宇多田ヒカルさんのことはそんなによく知らないSFファンなので、「宇多田ヒカルと小川哲の対談」というよりは「小川哲が宇多田ヒカルと対談(!?)」と思いながら読んだ。
全編とてもおもしろくていい対談だと思うのでみなさんも読むといいと思います。僕はなかでも宇多田ヒカルさんの
きっと最初から書こうとしていることなんか、つまらないんですよ。自分自身がハッとするようなものを書けないと、他の人に響くようなものは出てこない。
という言葉にとても感心した、というか、感銘を受けた。
というのも、最近YouTubeで安部公房の『小説を生む発想「箱男」について』という講演の音声を聞いたのだけど、
この中で「今回の小説のテーマはなんですか」とよく聞かれるのだが、テーマが先にあってそこから肉付けして作品を作るなんていうことはまずなくて、それで済むんなら小説になんかする必要がない。書き進めてきてようやくテーマらしきものが見えてくるのだということを安部公房は言っている。(意訳)これはほとんど宇多田ヒカルと同じだと思う。
安部公房、宇多田ヒカルと同じことを言っていてすごい。