2026年の抱負は、「自分の感情に向き合い、何に快・不快を感じるのかを見定め、意思決定に用いること」。
ここでいう「感情を意思決定に使う」とは、衝動的に感情に従うことではなく、感情を継続的に観測・構造化し、自分の価値観を形作る情報源として扱うことを指す。そうして形成された価値観を、選択肢の取捨選択やリソース配分の判断基準として使える状態を目指したい。
これまでの自分は、合理性や責任、外部からの期待を優先して意思決定することが多く、自分の感情を判断材料として扱うことがあまり得意ではなかった。 感情を無視してきたわけではないが、「信頼できる情報源」として使えるほどの感度はなく、また感情の整理もできていなかったと思う。
単発の感情ではなく、繰り返し現れる感情のパターンを重視することで、一時的な体調や状況に左右されるノイズと、価値観に根ざしたシグナルを区別する。そうすることで感情が「信頼できる情報源」になっていくはずだ。
今年は、何かを成し遂げることよりもまず、 自分の感情を観測する力を、意思決定に使える精度まで育てることを優先する。
原則と習慣
この一年は、次の原則を判断の軸として持つ。
[前提] 感情はノイズではなく、意思決定のための重要な情報である
[判断] 行動は、感情を理解するための仮説検証である
[運用] やめる・変える判断を元に、観察を深める
これを支えるために、すでに行っている習慣をそのまま活かす。
日中、感情が揺れた出来事はジャーナリングとして残す
朝晩にふりかえりを行い、仮説と結果を確認する
週に一度、ログをまとめ、意味づけを行う
週次の運用について
週次では、次の4点を軸に振り返る。
今週の「快」
今週の「不快」
続けたいこと
減らしたいこと
この4点は、「エネルギーが増えた方向」と「消耗した方向」を最小単位で捉えるための軸だ。
「快・不快」の要約やパターン整理は、AIエージェントの力を借りて自動化する。 一方で、「続けたい」「減らしたい」という判断は、 自分の意思が入る部分なので必ず自分で書く。
探索・観測型の運用が失敗しているときの兆候
この目標運用にはひとつ大きな落とし穴がある。それは、SMARTな達成指標がない分、失敗していても気づきにくいということだ。
そこで、この運用がうまく機能していないときに現れるであろう兆候を、あらかじめChatGPTさんに言語化してもらった。
軽度の兆候:観測が浅くなり始めている
感情ログが、出来事の記録で終わり始めたときは要注意だ。
何が起きたかは書いているが、どう感じたかが薄い
「忙しかった」「疲れた」など、汎用的な表現が増える
この状態では、感情を観測しているつもりでも、実際には作業としてログを残しているだけになっている。 感情への注意が下がり、学習が止まりかけているサインだ。
中度の兆候:探索が発散し、理解が深まらない
「やめる」「変える」という判断は増えているのに、 そこから得られる理解が積み上がっていないときも危険信号。
毎回やめた理由が違う
「合わなかった」で終わっている
共通する感情や価値観のパターンが言語化されない
この状態では、探索が進んでいるようで、実際には発散している。
重度の兆候:感情が免罪符になり始める
さらに進むと、感情が意思決定のための情報ではなく、 意思決定そのものの正当化装置になってしまう。
不快だったからやらない
乗らなかったから見送る
その「不快」が成長に伴う一時的な摩擦なのか、価値観との不一致なのかを問わなくなると、 探索は一気に短期最適へと傾きかねない。
失敗を検知するために
この運用が壊れ始めていないかを確認するために、 月次のふりかえりで次の問いを自分に投げる。
この判断は、過去のどんな感情パターンとつながっているか
今感じている不快は、成長コストか、それとも価値観の不一致か
最近「やめた理由」は、説明可能な形で蓄積されているか
半年前の自分に、今の判断を説明できるか
答えにくい問いが増えてきたら、運用を見直すサインだ。
おわりに
今年は、 自分の感情を信頼できるようになり、 本当に大事なものにリソースを使えるようになるための一年にする。
この探索の先に、 後から振り返って点と点が自然につながり、「自分はこうした価値観を持った人間です」と言えるといいなと思っている。
なお、仕事や趣味、家庭での活動については別途、具体的な目標設定を行う。本文で扱ったのは、それらを横断する意思決定の土台づくりである。