「こんにちは。ゆっくりじゃすみです」
「ゆっくりんてぃだぜ」
「んてぃ、今日は何について教えてくれるの?」
「今日は、『じゃすみんてぃ』というカプ厨について解説していくぜ」
「『じゃすみんてぃ』?お茶の名前かしら」
「普通はそうなんだが、ここではインターネットに魂を奪われたとあるユーザーの話だな。早速だがじゃすみ、お前は『カプ厨』という言葉を知っているか?」
「かぷちゅう? なにそれ」
「じゃあ、まずは『カプ厨』についての解説をしていくぞ」
「『カプ厨』というのは略語で、正式名称を『カップリング厨』と言うんだ。
この言葉にも複数の意味があるんだが、ここでは『二次創作においてキャラクター同士を恋愛関係にしたいという強い願望を持つ人』という定義で話を進めるぜ」
「恋愛好きってことなのかしら。ちなみに、他にはどんな意味があるの?」
「作中で一切接点がないキャラクター同士や、顔を合わせたかどうかも怪しいキャラクター同士を無理やりカップルにしようとする人、他には公式設定と矛盾するカップリングを主張したり、公式設定を無視して自分の妄想を押し付けたりする人、という意味があるな」
「公式の設定を無視って……それ、いくらなんでも酷すぎない?」
「とっとと処刑されるべき存在だな。まあそもそも、カプ厨は皆処刑されるべき存在なんだが」
「それって『じゃすみんてぃ』も処刑されるべき存在ってことじゃない」
「そうだぜ(肯定)」
「さて、そんな消滅するべき存在である『じゃすみんてぃ』なんだが、こいつはカプ厨の中でも
『根拠必須純愛ハピエン左右固定派』
という派閥に属しているんだ」
「??? スターバックスの注文かしら」
「まあ似たようなもんだぜ(問題発言)。一気に読み上げると意味が分からないだろうから、一つ一つ紐解いていくぞ」
「お願いするわ」
「まず1つ目。『根拠必須』の部分だな。これは言葉の通り、キャラクター同士をカップリングさせるにあたって公式による根拠を必須としている……という意味だ」
「あれ?でもそれって当たり前の話なんじゃないの?」
「それが当たり前じゃないからわざわざこうして名乗っているわけだな。最近Twitter(頑な)でも話題になったんだが、世の中には両面宿儺とシンデレラ、シュレックと岸辺露伴のカップリングなんてのも存在するんだ」
「根拠というか、作品が違うじゃない。根拠がない、と言われるのも当然だわ」
「ただ、じゃあ同じ作品であればいいのか……と言われればそうでもない。同じ原作でも、全くキャラクター同士の関わりがないのにもかかわらず『顔がいいから』などの理由でカップリングさせる者も存在する。私からするとこれも『根拠なし』だな」
「まあ、関わりがないのにどうやったらくっつくのかは謎よね。実際、どうやって関わらせるのかしら」
「そこらへんはその作者の力量次第だな。原作で関わりのない二人がどのように出会い、どう関わりを深めていくのかといった部分は作者のキャラクター解像度の高さがモノをいう部分だ」
「なるほど。関わりが存在しないからこそ、想像を深めて書かなきゃいけないってことね」
「そうだな。ただじゃすみんてぃは原作で関わりがない(もしくは薄い)キャラクター同士をカップリングさせる事に強い抵抗を抱いているんだ。これは自分が創ったキャラクターがもし根拠のないままくっつけられたら……を想像した結果だそうだ。よほど嫌だったんだろうな」
「なるほどね(他人事)。まあ、ここは考え方の違いだから平行線になりそうね」
「ただ根拠があっても他人のキャラクターをお人形遊びのようにくっつけていることに変わりはないからな。
全員消えたほうがいいと思うぜ(過激派)」
「次に『純愛ハピエン』の部分だ。これも文字通りだな。その二人の物語が純愛かつハッピーエンドで終わることが必須だという考え方だ」
「これは少し分かる気がするけど。物語、とくに恋愛モノとかだったらハッピーエンドで終わって欲しいと思うものじゃないの?」
「それは人によりけりなんだ。じゃすみんてぃのようにハッピーエンドで終わって欲しいと思う一方で、バッドエンドやビターエンドこそ美しい……と考える人もいるんだ」
「なるほど。元々がバッドエンドで終わった二人のお話なら、下手にハッピーエンドにするよりそのままのほうが物語として綺麗と思う人もいる、ということね」
「そうだな。この考え方にどちらがいい、悪い、という優劣は存在しない。あくまで考え方の違いの話なんだ。
ただ、他人のキャラクターを勝手にくっつけたり死なせたりしてる時点で同罪なのは変わりはないから
全員腹を切るべきだと思うぜ(武士の情け)」
「最後に『左右固定』だ。これはかなり難しい概念なんだが……大雑把に言えば、二人の関係性において、主導権を持っている人物が固定されているべき、という考え方のことを指しているんだぜ」
「……? ごめん、よく分からなかったわ。なんでそれが左右の話につながるの?」
「いい質問だ。ここでいう左右というのは、インターネット等で二人について言及するときの順番のことを指しているんだ。いわゆる 攻め と 受け というものだな。
そうだな……たとえば、太郎 と 花子 というキャラクターがいたとする。
この二人について話す時、「太花」であれば太郎が、「花太」であれば花子が主導権を持つ。つまり、表記の左側が攻め、右側が受けになるんだ」
「えーと、つまり主導権を持っているほうが攻めで、その反対が受けになるってことね」
「大体はそうだな。ただ最初に言ったように、これはあくまで大雑把に言ったものであって、全てにおいて当てはまるものじゃない。ヘタレ攻めや誘い受けのように、左側だが主導権を持っていない、右側だが主導権を持っている(なおかつ相手に渡そうとする)などといったパターンも存在するんだ」
「なんだか複雑な概念なのね」
「さて、前提について話したうえで改めて『左右固定』について話すぞ」
「わざわざ固定って言葉をつけているってことは、固定じゃないパターンもあるわけよね」
「ああ。カップリングにもよるんだが、固定じゃないパターンが主流のものもある。キャラクター同士の関係性は流動的なのだから、固定してしまうことで逆に表現の幅を狭めてしまったり設定に齟齬が生じてしまったりするのではないか、という意見もあって、これはとても真っ当な意見だと思う」
「確かに、キャラクターの気分によっては主導権が入れ替わったりすることも普通よね。力関係が常に偏っているっていうのはなんだか不健全な感じもするわ」
「それもいい意見だと思うぜ。勿論原作でそのような関係性である表現がなされているのであれば問題ないんだが、そういった描写もないまま勝手に左右固定していいのか、という課題は常にあるんだ。
勝手にくっつけてる時点で死罪なんだけどな(首尾一貫)」
「ちなみに、『左右固定』派はこの意見に対してはどう反応しているのかしら」
「『左右固定』派にもいろんな派閥があるから、あくまでじゃすみんてぃ自身の対応になるんだが」
「ええ」
「そもそも左右が固定されるようなカップリングしか好きにならない」
「力技じゃない」
「『ぼくはそういうふうにできている』だそうだ」
「きも(暴言)」
「さて、以上がカプ厨であるじゃすみんてぃの解説だ。聞いてみてどうだった?」
「全体的に気持ち悪かったわね」
「カプ厨なんてそんなもんだ。自分の好きなカップリングを他人に押し付けてこないだけまだマシで、中にはしつこいくらい自分のカップリングを他人に押し付けてくるやつもいるからな。気心知れた仲ならまだしも、関わりの薄い相手にもそれをやるのは迷惑以外のなにものでもない」
「仲のいい人から聞かれた時に答える、くらいがちょうどいいのかもね」
「ちなみにじゃすみんてぃはいつからこんなになっちゃったの?」
「5歳くらいかららしい」
「きも」