黒ガッパを着こんだ黒い男すっぽり濡れている手は、絶望よりも冷たいその人刺し指で、わたしの腹を下から上へすり上げると、腹はもう我慢できずにぱっくり口を開き、デロリと内臓を吐き出すだらしなく垂れさがり、赤い舌のように揺れる腸、腸、腸 哀れでいとおしい下腹がなまあたたかい男は血でこわばった帳面をびぶりとひらくと濁ったガラスペンで記入する股をひらかれたわたしにガラスのペニスで書きこむようにEsそのへんのジャック・デリダ。