気が散らばっていた。
おすなばをカクレミノにして、もう何だったのか分からないような秘密の香をしまう。
鳥と飛行機がなかよく並んで、遠くの乾いた空を横切る。霞で被写界深度の浅い、スーパーフラットな光景。そこに鳥と飛行機の差はないのかもしれない。
コトを小さく分解すればグラデーションになる、などと思っていたが、コトが細断されて視野角は狭まり、なんだか窮屈になるばかり。
借りてきた言葉はいつの間にか壊れてしまった。視点を引いて、ひとりひとりの自分がみている世界を大切にしたい。
ただ思うままではいけない。あなたにならない。
思いは原動力になるが、強い思いのまま行動するのはただのわがままで、野生の動物と変わらなくて、人間ではないかもしれない。
でもそこを否定していたら、それこそ人間でないかもしれない。だから僕らは、情熱で冷静を活かしたい。
さぁ、常夜灯が照らすベッドのすぐ傍で、眠れずに眉をしかめて目を閉じる、6歳の君をみている。
ほどなく今日を眠らせる。
みんな、誰かのために思いを馳せて、がんばれるんだ。