ライブのルール/マナーってなんぞや

迅月@しゅば
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というタイトルなわけなのだが、これを書こうと思ったのには理由がある。あとこれ長くなるから嫌になったらブラウザバックでおなしゃすね。この内容を圧縮して後で絵にしようと思っての書き散らしです。

ここひと月ほど、MSSPの現場に3度ほどホイホイされていたわけなのだが、ほぼ毎公演にわたってライブ前にカメラの撮影音が聞こえてきた。そのたびに「またかぁ…会場の撮影禁止はルール的にダメなはずなんだけどなぁ…」と思っていた。そしてはたと気付いた。

いま自分、「また」って思った?

2023年冬ツアー最後の現場で「また」って思った、じゃあその前は?冬ツアー最初の現場だった気がする。じゃあそのときは「また」って思わなかったかと聞かれると、「思った」。そう、冬ツアー最初の現場でカメラの音を聞いて「またカメラの音だ」と思ったわけだ。じゃあその前の現場は何だった?

She is Legends.の現場だった。

聞いたことない人もいるかと思うので一応説明すると、ヘブンバーンズレッドというゲーム内のユニットであり声優さんと歌手さんによる二人組ユニットのアーティストになる。確かデビューからまだ日も浅かったはずだ。その全国ツアーの現場に参加していた時にアナウンスや看板で禁止を言われているにも関わらずカメラの音や実際撮影している人を見た。その時も「またか」と思った。えっ?じゃあその前の現場なんだったよ。

PENGUIN RESEARCHだった。

ルーツがニコニコ動画のメンバーが大半を占めるとはいえ、ロック色の強いバンドだ。そして彼らの活動期間はかなり長く、10年近くバンド活動をしている方々だ。そんな現場でも撮影禁止の看板が出ている中での撮影を見かけた。つまり毛色の違う3つの現場でルール違反を見かけたわけだ。

そしてMSSPの2023年冬ツアー最後の現場になった24日のライブで、かなりのマナー/ルール違反が目立った…ようだ。私はカメラの音以外わからなかったが、それ以外でも怪我に繋がりかねなかったりするようなマナー違反もあったっぽい。それを受けて民度が悪い、民度が下がったと嘆くツイートも見かけた。事実昨年の同日も現場にいたのだが、自分も結構な身の危険を感じた。その時は「満員御礼だし仕方ないか…」で済んでいたのだが今回は満員のアナウンスはなかったと記憶している。それでも身の危険を感じるような事があったとなると何故だろうという気持ちが起こるのが自分という人間なわけで、それを考えるうちに「カメラの音」がふと気になったわけである。そして冒頭に戻る。ここで自分は思った。

もしかして「MSSPの現場の民度が下がった」のではなくて、「エンターテイメントの公演現場の民度」が下がっているのではないか?と。

実はコロナ禍前に学生のなけなしマネーを注ぎ込んで3度ほどライブに行った経験があるのだが、その時には見られなかった「なにしてん!?」な案件がチラホラ見られる(しかも複数の現場で)。私の妹もコロナ禍前はライブ参戦勢(SILENT SIRENのライブに行っていた)だったのでルール違反を見かけたかどうかを聞いてみたが、「いたかもしれないけどそんな治安悪くなかったけどなぁ」と返ってきた。そう、以前からいた可能性はあったにせよそんなに山程は見かけなかった、となると、もしかしてコロナ禍で入ってきた新規勢や配信ライブしか経験のない人がコロナ前からの現場のマナーや暗黙の了解、各アーティストの定めるルールを知らずに現場に来始めてトラブルになってる可能性もあるんでないか?という結論に至ったのである。あとは何かしらの記念日だからこの日だけ行こうみたいな不慣れな人とか。

というわけで、こういうときに便利なのがアンケートなわけよ。Twitterの。絶対Xって言ってやらねぇからな。それを使って聞いてみました。

ネットにはフェスやスタンディングライブ、コンサートのマナー、界隈独自のマナーやルールを解説したものが文、イラストともに調べればいくらでも出てくる(と、私は思っている)。そんな中で改めて「コロナ明けライブに備えた最低限のマナー解説」のようなものが必要か否かを聞いてみた。結果はおおよそ必要8:不要2。必要の中には多分「お前イラスト描くんやな!言質言質ィ!」の票も一定数入ってる気もしているのだが、それを踏まえても自分の予想を遥かに超えて必要に票が入った。えっ嘘ぉ、そんなことある?でも確かに外に出られない中でのライブ配信はエンターテイメントとしてはかなりいいものだったかもしれない。そこで入ってきた人もいるんだろう。好きになったはいいけどネットには色んな話があるしどれ見ればええんじゃ‼ってなったりしたのかもしれない。そんなに票が集まるなら色々調べて描いたろ!!と思った。

思ったんですよぉ!!

で、なるべく平易に、どの現場でも最低限押さえておけばトラブルに巻き込まれにくい暗黙の了解やマナーを書き出そうとしたら思った以上に種類があるんですよマナーとか暗黙の了解に!!やべぇ!!3周まわってテンション上がってきた。というわけで全て絵に起こす前にまず文字に色々起こしてみますね、というのがこの記事の本題です。本題に入るまでがなげーよ。

そんなこんなで冬ツアー最後の現場から2日ほど暇なときに色んな現場の話を調べて表面はさらった感があるのでまとめてみると、まず現場の種類は大まかに分けると2つあるというのがわかりました。

ひとつめはオールスタンディング現場が多めで、ライブ活動はライブハウスがメインの場合。このパターンは割とロックバンドに多い印象です。PENGUIN RESEARCHもそんな感じだし、いつか行きたいなぁと思っている04 Limited Sazabysとか、知り合いが好きなフレデリックとかもそうです。割とフェスにいるイメージもありますね。ふたつめはシーティング現場が多めで、ライブ活動はコンサートホールとかの大規模会場がメインの場合。このパターンは調べてみるとアイドルグループに多そうな感じです。実はこの2つの区分でかなりルールが違いました。ワオ!!この違いは盲点だった。でも確かにアイドルグループってライブじゃなくてコンサートって言うもんな…言われてみればそうか…とも思いました。今後この区分けを「ロックバンド型」と「アイドル型」と呼ぶことにしてみます。

ではこの2つの区分けで一番の違いはなんだったかというと「レスポンスの高さ」。ざっくり描くとこんな感じ。

ロックバンド型は拳の高さとかの制限とかは自分の観測範囲では見かけませんでした。もしかしたら中にはあるバンドもあるかもしれませんが、割と拳の高さに制限はなく、身体がぶつかるのもある程度の許容(流石にわざと当たるとか怪我に繋がるレベルはNG)という感じでした。まぁバンドによっては拳だけじゃなくてヘドバンやモッシュ、ダイブがあるところもあるのでそれで身体ぶつかるの一切NG言われたら無理にも程がある。一方でアイドル型ですが、これが割と決まって「うちわは胸の高さ」「ペンライトは肩より下」だったんですよね。ベースがロックバンド型の自分からしたら「ペンラは肩より下」はマジで信じられなかったんですが、理由として「他のファンの視界を遮る」「推しが見えなくなってしまう」と見て納得しました。なるほど、確かに。うちわは確かに胸の前じゃないと迷惑な大きさになりますし、よくよく考えると拳でさえ前の人の動きを見ててもうっかりぶつかる可能性があるのにそれよりも上に自分の意志で制御できない動きをする可能性のあるかったい棒が突き出した状態でロックバンド型と同じ振り回し方してたらあぶねぇわな!!それにライブ会場なんて自分が動ける範囲は限られますし、そんな中でなりふり構わずペンライトを上にあげられたら「我が推しが見えねぇんだが?」ってなるし、避けるのも難しいよな…。特に後ろから勢いよく振られたペンライトは凶器だと思います。実際めちゃめちゃ痛いしね…。

次に大きな違いだったのは服装。しかしレスの高さよりは共通点が多かったです。

まず共通点がこちら。そしてこれがロックバンド型のライブ参戦服で一番多い…というかほぼ全員これみたいな服装です。私の場合もほぼこんな服装で、パーカー、Tシャツ、ジーパン、スニーカー、ボディバッグorマチのないショルダーバッグで行ってます。現場によってはパーカーは推しのジャージとかになったりしますが、基本フォルムはこんな感じ。

まず上着とインナーですが、アーティストのアパレルで揃えている方もいれば動きやすい私服の方もいます。ただし共通して言えることは「動きやすい服装」「他の人に引っかかる可能性が少ない服装」「温度調整しやすい服装」であることです。装飾がついているものは引っかかったりすることでトラブルになる可能性も高いですし、なるべくシンプルなもので揃えているというのが多そうです。

次にボトムスですが、基本的にパンツのタイプがオススメです。可愛いスカートも履きたい気持ちは分かるのですが、これも他人の服に引っかかってしまったり、場合によっては痴漢なんてことも起きかねません。少し前にもヤバイTシャツ屋さんのライブ会場で痴漢被害があり、アーティストの方が怒っていたことがあります。痴漢はする方が全面的に、圧倒的に悪いのですが、悲しいことに自衛で防げそうな部分は防がないといけないのが実情です。被害者の方の服装は不明ですが、スカートになると中にまで手を入れられ直接触られるなんてことも考えられますのでそういったことを防ぐためにもパンツの方がオススメだなと思います。

また、カバンについてですがチケット、タオル、スマホ、財布、アーティスト特有の応援グッズが入るサイズの小さい物を使用するのがロックバンド型やアイドル型の大半でも一般的。スタンディングのライブ会場は狭く、会場ロッカーの数も限られるのでロッカーを使わなくても大丈夫な量に収めてる方も多いです。私は収めようとして物販で荷物が増えるタイプです。泣きそう。ロッカー探してます。

足元については高さがなく、足の露出がない動きやすい靴が圧倒的にオススメです。特にスタンディングは気を付けていても接触が起きてしまう可能性があるもの。「普段からヒール履き慣れてるからヒールでもいける」「前の人が大きくて見えないから厚底やヒール履きたい」「暑いしサンダルがいい」という気持ちも分かるのですが、冷静に考えてください、接触があった時にバランスを崩しやすいのは高さのある靴を履いている場合です。バランスを崩した際に怪我をさせやすいのはヒールや厚底の靴です。そういう靴を履いている方がバランスを崩してきた場合、怪我をしにくいのは足の露出があるサンダルよりもある程度保護されているスニーカーです。また、極少数ではありますが、わざとヒールを履いてきて同担(同じメンバー推しの方)を踏む方も悲しいですがいることも事実です。自分が無意識に加害者にならないために、被害者を最小限に抑えるためにもスニーカーはオススメです。

最後に頭ですが、帽子や髪の毛が上に上がるような髪型(ポニーテールや髪を過度に盛る)は避けつつ、髪の長い方はサイドでまとめて前に流す方が多いです。ヘドバンのあるライブだと結んでいない方もいらっしゃいますが、これも接触による周囲トラブルや視界不良によるトラブルを避けるための策ですね。

このへんの服装の話はロックバンド型が活動を主とするオールスタンディング現場では暗黙の了解のマナーになっていることもあれば、公式からのルールとして提示されている場合もあります。調べる中でアイドル型のライブも色々調べてみましたが、こちらの服装ベースで動いている方も(自分の想像よりも)多そうだということもわかりました。

「初めてライブ参加してみるんだよね…」「普段は滅多に行かないけど記念日だし行ってみようかな…」といったライブ慣れしてない方はこちらの服装を参考にしてみるとトラブルに巻き込まれづらくなると思います。「づらく」と書いたのは自分がいくら気をつけても他の人に巻き込まれる可能性もあるためです。この「自分は節度を守っているのに他人に巻き込まれて嫌な思いをした」という声が多いと「民度が悪い」という印象を持たれがちなので全員で気を付けていきたいところ。これは初心者さんだろうがベテランさんだろうが同じです。外から見たら誰が初心者で誰がベテランかなんて分かりませんからね。

また、多くのアーティストが公式に服装や応援方法のアナウンスをしていますので、ライブ前に一度アーティストの公式ページに足を運ぶことをオススメします。

↑ロックバンド「DISH//」のお知らせページ。服装や持ち込み品などの注意事項が理由付きでしっかりと書かれています。DISH//の場合はヒール、厚底だけではなくインソールの靴も禁止になっているようです。

↑ロックバンド「PENGUIN RESEARCH」のお知らせページ。DISH//に比べると服装の注意点はありませんが、青字で目立つように「マスク着用必須の上声出し可」とありますので、コロナ禍が落ち着いてマスク着用義務付けられなくなったからしなくていいや!声出しも解禁だから思い切りマスク無しで叫ぶぞ!はご法度という公式からのアナウンスです。マスク着用はコロナ後の服装指定になったとも考えられます。

↑謎のエンターテイメントユニット「M.S.S Project」の15周年ライブツアー特設サイト。下にスワイプしていくと「注意事項」の欄があり、「新型コロナウイルス感染症対策とご来場のお客様へのお願い」の所にははっきりと「マスク着用の上声出し可」「動画撮影、写真撮影禁止」と書かれていたり、出待ち・入待ちの禁止などの文字もあります。

このようにアーティストによって注意事項、禁止事項は様々ですが、ライブに関しての注意事項やお知らせは必ず公式からの発信があります。調べるのが面倒な気持ちも良く分かりますが、読んでおけば「書いてあるのになんでルール守れないんだ?」の目は減ります。ルールを守って楽しくニコニコ!怪我せずさせず、帰るまでがライブです。

で、アイドル型だけに特有だなと思った服装がこちら、ババーンと絵を出したかったのですがちょっとたくさんあるので現段階では文字の列挙とさせていただきます。

はい、それがこちら。ゑ?字がきったねぇ?すまんな!!中の人コロナ陽性で暇な中で指で絵を描いてんだこれが、許してくれ。絵で表現できない一番の理由が推し意識コーデの種類がありすぎること。アイドル型の人たちすごない!!?すごい…単純に尊敬する…。この中でもロックバンド型がベースの自分からすると接触可能性の高まるライブハウスでのオールスタンディングの会場内で控えてほしい〜〜〜〜〜!!と思ってしまうのは「過度な」ヘアアレンジ(めちゃめちゃ装飾すごくて持ってるとか)とネイル(爪めちゃめちゃ伸びてるとか尖ってるとか)、そして推し意識コーデです。理由は単純で、怪我やトラブルに繋がりやすいからです。上記でも書いたようにオールスタンディング現場では接触で絡まる/こける可能性がある/怪我に繋がる可能性がある服装を避ける意味もありロックバンド型の服装が成り立っている面もあるので、「ひえぇ…私もあなたも怪我するかもしれないよぉ…」と調べてて思いました。まぁ普通はこの2つの型の現場が被ることなんてほぼないのですが、場合によっては被ることもなきにしもあらず。フェスも増えてきたしね。お互いの文化は知っておいて損はないはず。ちなみに痛バとかは許すのか?となるのですが、私は「まぁー会場にどデカイの持ち込まなきゃ持ってきてもいいでしょ」派です。さすがにみんなロッカーぶち込むでしょ。痛バは重いって聞くし……。これはアイドル型ライブにほぼ行ったことがない自分の想像での補填でしかないのですが、シーティングの場合は曲中だけ立つ→MC中は座るというパターンであり、更に暗黙の了解としての「うちわ胸元」「ペンラ肩まで」があるので接触や転倒の危険性がオールスタンディングよりも低いという利点があるからできる服装だなと思います。すまんがアイドル型の畑の人、違ったら教えてください。優しく!!頼むで!!意外とメンタルはお豆腐なんや!!

とまぁ、ここまで書いたんですけど結局は公式のルールは絶対守らないといけないんですよね。ただ、定まっていない部分として何が暗黙の了解なのか?といった部分が分からない人も多いと思います。上でも書きましたが基本的に公演に関するお知らせやルールなどはアーティストのお知らせ要チェックですが、それ以外の部分は正直自治の面(=マナーで守ってる)が多いのもまた事実。上であげたアーティストさんを見ても分かるようにルールの量も書かれてることも違います。それでも大体の現場でマナーが共通してる部分があるのはロックバンド型、アイドル型ともにこれまで「他人の迷惑にならないように、推しに迷惑をかけないように」築き上げてきた部分が大きいとも思っています。そしてそのマナーの最たるものは「ぶつかってしまったら謝る」だと思います。その築き上げてきた部分をなるべく平易に色々描いていきたいとも思ったり思わなかったりラジバンダリです。描き方とかも工夫必要そうですよね〜難しいけど。万人が満足するものって描けないわけですし、ある程度「ちゃうやろ」の声も聞こえるとは思いますが、まぁ、明文化して整理続けていこうと思います。よしなに。

ところでみなさん、多くの公式が出している「写真撮影禁止」って公演中だけだと思ってます?いやそこも齟齬あるのかと思ってたんですが、あれは「会場内での撮影禁止」なので公演前だろうが公演中だろうが公演後だろうが撮影禁止ってことですし、舞台セットとかもあるはずですので「記念だ〜!!」的に撮影するのはやめといたほうがいいですよ。公式の言う事守れないファンが多いようなアーティストには貸しませんって施設側から言われちゃったら元も子もないですからね!

@jingetsu
徒然なるままに聞いた曲の感想や思い出を投げていく