敗北の少年

迅月@しゅば
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曲聞いた感想の書き散らしをしようと決めたわけだし、まぁ、1曲目くらいはきちんと書こうというわけだ。

敗北の少年 / kemu

出会った時の衝撃はものすごかった。確か、黒子のバスケのイメソンイラスト動画で初めて聞いたはずだった。どの歌い手かの歌ってみたを使っていたと思う。

当時浪人していて、自分よりも上の大学を目指す自分に対してめちゃめちゃ見下してくる同じく浪人の同期に対し、劣等感を抱きつつもどうしようもない学力差をしていたので諦めきっていた自分と何故かどうしょうもなく重なったのを覚えている。

敗北の少年 現実を謳え あんな風に空は飛べやしないんだ こんな夜に意味があるなら 僕らは地を這う

そうか、それでいいんだ。そう思ったことを覚えている。もう今からあんな風に地頭良くもなれないし、ましてや積み重ねで追い付けるわけもない。それでも今やってることにきちんと意味があるから地を這ってでも見返してやる。自分は第二志望までを所謂国公立大学の括りで定めていたので、最悪でも第二志望までには入ってやろうと決めた。向こうも向こうで「私立なんて馬鹿が行く所、国公立入れないと人間としてダメだよね」とか平然と言うやつだったので意地でも合格してやると思っていた。

蓋を開けたら向こうは第ニ志望の私立、私は緊張のあまり第一志望であらぬミスをしたものの第二志望の国公立にはなんとか喰らいついたのは笑っていいと思う。

ありがとう、敗北の少年。

そしてよろしく、敗北の少年。

学生になった自分は、当時「バンドやろうぜ!」にハマっていたフォロワーさんが呟いていた「敗者復活戦自由形」という曲名に惹かれて「PENGUIN RESEARCH」というまだ結成から2年ほどのバンドに出会う。そして彼らのカバーしていた敗北の少年と出会った。出会ってしまったのだ。明らかにkemuの原曲を意識したPV、妙にストンと違和感なく落ちてくるボーカル、あんな難易度の高い演奏を平然とやってのける彼らに興味を持ち調べていくと、ベースの堀江晶太さん=kemuにまでたどり着いてしまう。

まさかこんな形で10年以上もあの人の曲を追い続けることになるとはこのときは思ってもみなかった。

@jingetsu
徒然なるままに聞いた曲の感想や思い出を投げていく